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“左おっつけ”は使えるのか 横綱稀勢の里「夏場所」への不安

日刊ゲンダイDIGITAL 5/12(金) 12:03配信

 ようやく、決断を下した。

 11日、横綱稀勢の里(30)が5月場所の出場を明らかにした。この日は稽古を休み、代わって田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)が報道陣に対応。「出場します。休場はしません。本人と話して、今朝決めた」と、横綱の意思を伝えた。

 稀勢の里は先場所、左上腕と左大胸筋を損傷し「1カ月の療養が必要」と診断された。回復具合を慎重に見極めながら、14日初日の5月場所出場の可能性を探っていた。

 決断の決め手となったのは、10日の時津風部屋への出稽古だろう。ここで稀勢の里は得意の左おっつけを、負傷以来、初めて解禁した。

 田子ノ浦親方は「ファンは横綱の相撲を見にきている」とも話している。横綱の相撲とはすなわち、優勝争い。責任感の強い稀勢の里だけに、それも十分可能と踏んだ上での出場だろう。

■左おっつけ解禁も本場所では封印……

 だがしかし、ケガが完治したわけではない。左腕には分厚いサポーターをつけ、10日の出稽古では顔をしかめる場面もあり、対戦した正代も「左腕をかばっているのかな、と感じた」と話している。

 ヒジを自身の脇に押し付け、相手の差し手を防ぐのが「おっつけ」。防御だけでなく、相手のヒジを外側から押して体勢を崩すなど、攻撃にも使える技だ。当然、左上半身にかかる負担は少なくない。

 まだ痛みや違和感が残る現状から、わずか数日で万全になるとは思えない。いくら左おっつけを解禁したからといって、15日間、それを使えるかどうかは話が別だ。

「もし、本場所が始まっても不安があるようならば、序盤は左おっつけを封印。大関、横綱戦でしか使わない可能性もある。もっとも、横綱ともなれば序盤に当たる相手も小結や平幕上位といった、そこそこ実力のある力士ばかり。得意技を使わなければ、足をすくわれかねない」(相撲記者)

 大関時代とは事情が異なれど、稀勢の里の不安はやはり、序盤の取りこぼしになりそうだ。

最終更新:5/12(金) 12:03

日刊ゲンダイDIGITAL