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いよいよ収穫期へ、パナソニックが車載機器売上高2兆円に手応え

MONOist 5/12(金) 12:11配信

 パナソニックは2017年5月11日、2018年3月期(2017年度)の経営戦略を発表。数年にわたって提案を進めてきた車載向け製品群の導入が進み、2018年度に車載向け売上高2兆円としていた目標に対し「めどが立ちつつある」(パナソニック 代表取締役社長 津賀一宏氏)と自信を見せた。

【パナソニックの車載機器事業の状況と目標などその他の画像】

●2017年度は増収増益を予想

 パナソニックの2017年3月期(2016年度)の決算は、売上高が前年度比4%減の7兆3437億円、営業利益が同20%増の2768億円、税引前利益が同21%増の2751億円、当期純利益が同10%減の1494億円という結果となった。ただ、車載事業が成長を持続しており、白物家電や車載、産業向けインダストリアル事業などでは増益を達成した。

 さらに、2017年度については「これまでの成長に向けた取り組みの成果が現れた」とし、増収増益を実現する見込み。売上高は実質的に増収増益を見込んでおり、特に車載事業が成長するという。

●収益改善事業は2019年度で反転へ

 パナソニックでは事業を「高成長事業」と「安定成長事業」「収益改善事業」の3つに分けて運営を進めている。高成長事業には、車載二次電池、次世代コックピット、ADAS(先進運転支援システム)、エアコンなどが位置付けられている。

 一方、安定成長事業としては、白物家電、航空関連、配線器具が位置付けられている。収益改善事業としては半導体と液晶パネル、ソーラーが位置付けられている。収益改善事業については、3事業とも現状では赤字。半導体事業は車載・産業向けへの転地や合理化を推進し2019年度の黒字化を目指す。液晶パネル事業は強みが生きる車載向けや産業向け特化し、半導体と同じく2019年度の黒字化を目指す。ソーラー事業については、苦戦する国内よりも海外を強化する方針。2016年12月発表した米国のTesla Motors(テスラ)との協業※)による長期購買契約などを生かし黒字化を実現する。

※)関連記事:パナソニックとテスラ、米国で太陽電池セルモジュールを生産

 パナソニック 代表取締役社長 津賀一宏氏は「2017年度は今までの仕込みが大きく実を結び、高成長事業がけん引する。増収増益を実現できる」と手応えについて語っている。

●成長の原動力となる車載事業

 高成長事業として、業績全体のけん引役として期待を集めているのが車載事業である。車載事業について津賀氏は「60年以上にわたる車載事業に加えて、デジタル家電で培った技術や、三洋電機買収で強化が進んだ電池、デバイスなど、オールパナソニックで車載向けでソリューション提案を進めていく事業転換を進めてきた。2017年度からは取り組みを変化してきた中で仕掛けてきたことがいよいよ成果となって生まれてくる。次世代コックピットはIVI(In Vehicle Infotainment)、二次電池などで大形案件の納入が進む」といよいよ収穫期に入ったことを強調する。

 車載事業は2018年度に2兆円の売上高を目標としてきたが「2兆円はいよいよ視野に入ってきた。車載機器事業というのは一般的に採用されるまでに長い時間が必要になるが、採用されると3~4年は売れ続ける。2018年度以降も継続的に売上高はしばらく伸び続けると考えている。売上高の規模ではインフォテインメント、車載用電池が現在の2本柱。ただ2020年以降はADASや電気自動車向けのシステムなどが伸びると見ている。自動車の電子化、電動化のニーズを見ながら、そこにパナソニックの強みを当てていきたい」と述べている。

 車載向けでは特に大型の投資を推進。テスラと共同で推進する米国ネバダ州の大規模リチウムイオン電池工場「ギガファクトリー」が稼働を開始。2017年第2四半期には、テスラの「Model 3」向けセルの量産を開始するとしており「本数規模、金額規模は強い勢いで伸びる」(津賀氏)。従来はテスラ向けの電池は日本で作った電池を米国のテスラの工場に持ち込み、テスラが米国から世界の顧客に販売するというサプライチェーンとなっていた。ギガファクトリーが本格稼働すれば、米国で作った電池を米国で自動車に組み込み、そこから世界に販売するという形に変わる見込みだ。

 一方、車載向け電池では2017年4月に中国・大連でのリチウムイオン電池工場が完成。大連工場については「まだ始まったばかりで、自動車メーカーとの連携で電池生産ラインを1本1本増設していくという流れになる。中国で電池を生産し、中国域内で提供し、一部の電池パックを輸出することを考えている。中国市場では、環境対応車の需要が世界で最も大きく伸びる。その流れに乗ってパナソニックとしても大きく成長したい」と津賀氏は説明する。

 電池向けの投資では、この2つの工場が当面は中心となるが「消費地生産体制の構築が大きなテーマとなる中で、次の投資が可能になれば、欧州での生産を考える。電気自動車の需要がその地域でどれだけ拡大するかというのが1つの指標となる。ただ、この事業は基本的には自動車メーカーとの連携や協力関係が構築できなければ投資できないという事業。そういう体制が整えば、欧州での生産についても考えていく」と津賀氏は述べている。

最終更新:5/12(金) 12:11

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