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首相「日韓合意は基盤」 文氏「受け入れられぬ現実」 電話会談

産経新聞 5/12(金) 7:55配信

 安倍晋三首相は11日、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と初めて電話会談した。両首脳は関係改善に意欲を示し、早期に首脳会談を実現することで一致。安倍首相は慰安婦問題をめぐる日韓合意について「責任を持って実施していくことが重要だ」と求めた。一方、韓国大統領府によると、文氏は「国民の大多数が心情的に合意を受け入れられないのが現実だ」としながらも「双方が賢く解決できるよう努力する必要がある」と述べた。両首脳の会談は約25分間行われた。冒頭、安倍首相は「韓国は日本にとって戦略的な利益を共有する重要な隣国だ。大統領とともに未来志向の日韓関係を築きたい」と語った。

 安倍首相は「日韓合意を含む2国間関係を適切にマネージしていきたい」とした上で、合意は「未来志向の日韓関係を築いていくための欠くことができない基盤だ」と強調し、再協議を主張する文氏を牽制(けんせい)した。今回の会談で、文氏が合意の再交渉を持ち出すことはなかったという。

 文氏は「民間の領域で起きた問題を政府が解決するには限界があり、時間が必要だ」とも説明した。日本側が釜山(プサン)の日本総領事館前などの慰安婦像の撤去を求めていることを念頭にした発言とみられる。

 北朝鮮問題では、日韓が緊密に連携して対応する方針を確認した。

 文氏は同日、安倍首相との会談に先立ち、中国の習近平国家主席とも電話会談した。中国外務省によると、習氏は、韓国に配備された米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」を念頭に「韓国新政府が中国側の重大な懸念を重視し、両国関係の健全で安定した発展のため、実際に行動をとることを希望する」と述べた。習氏は文氏の訪中を正式に招請し、特使を交換することでも一致した。

 北朝鮮の核問題については、習氏が「中国は対話による問題解決を堅持している」と主張。文氏は「6カ国協議などの早期再開を通じて、朝鮮半島の非核化を実現させることを望んでいる」と応じたという。(原川貴郎、北京 藤本欣也、ソウル 桜井紀雄)

最終更新:5/12(金) 7:55

産経新聞