ここから本文です

改憲笛吹けど、踊らぬ領袖

産経新聞 5/12(金) 7:55配信

 安倍晋三首相(自民党総裁)が意欲を表明した憲法9条の改正と2020(平成32)年施行について11日、与野党から異論や注文が相次いだ。首相が「議論を深めてほしい」と期待する衆院憲法審査会は、民進党が首相発言に反発したため11日は開催されず、“笛吹けど踊らず”の様相を呈している。(沢田大典)

                  ◇

 ▲勢いで改正よくない

 自民党の石破茂前地方創生担当相は11日の石破派会合で、9条に「国防軍を保持」と明記した24年の党憲法改正草案について「どう取り扱うかが一番大事だ」と述べ、党内の手続きなしに違う内容を発信した首相を批判した。その上で「勢いで憲法を改正していいはずは全くない」と拙速な意見集約を牽制(けんせい)し、同派として勉強会を開く考えを表明した。

 ▲当面9条は考えない

 石破氏と並び「ポスト安倍」とされる岸田文雄外相は岸田派会合で「当面、9条の改正は考えない」との過去の発言について「変わっていない」と強調。「首相の発言と私の考え方はどこが違うのか、あるいは同じなのかも含め一度よく確認してみたい」と語った。

 ▲地元でも取り上げて

 二階俊博幹事長は二階派会合で「憲法は最も重大な問題だ。地元でも積極的に取り上げてほしい」と求めた。11日の各派閥会合で首相に同調した派閥領袖(りょうしゅう)は二階氏ぐらいで、広がりを欠いている。

 ▲自民党内バラバラだ

 民進党の蓮舫代表は記者会見で「閣僚経験者から正面切って首相と違う意見が出ている。自民党内はバラバラだ」と当てこすった。

 一方、萩生田光一官房副長官は衆院議院運営委員会理事会で、憲法改正をめぐる首相の「読売新聞を熟読していただきたい」との答弁について、「国会を軽視するつもりはなかった」と述べ、収拾を図った。

 ◆憲法審18日も見送りか

 衆院憲法審査会の幹事懇談会では、与党筆頭理事の中谷元氏(自民)が「首相ではなく自民党総裁の考えを党に向けて示した」と説明。2020年施行に関しては「審査会の具体的スケジュールは各党派で検討する」と述べた。これを受け与野党は18日に「国と地方のあり方」をテーマに各党の意見表明と自由討議を実施することで合意した。

 ただ、政府・与党は18日に「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案を衆院で通過させる方針で、廃案を求める民進党などが徹底抗戦するのは確実だ。「国と地方のあり方」の討議は政局の影響で3回延期されているが、18日も見送られる可能性がある。

最終更新:5/12(金) 8:17

産経新聞