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名神高速道路を支える「土木女子」 15日から集中工事 「男女は関係ない」

産経新聞 5/12(金) 15:10配信

 日本の「大動脈」の一つ、名神高速道路で年に1回行われる集中工事。西日本高速道路で約1万人(関西支社)が従事する大仕事だが、“男社会”のイメージが強い工事現場で指揮を執る「土木女子」が注目を集めている。「道路を支えたい気持ちに『男女』は関係ない」。強い気持ちを心に、15日から始まる集中工事に臨む。(杉森尚貴)

 「現場監督」として各場所で行われる作業を管理、監督するのは、西日本高速道路関西支社・滋賀高速道路事務所改良第1課、渡瀬梓さん(32)。舗装工事や段差の解消工事など、さまざまな場で行われる作業を見て回る。実際の工事も大切だが、工事の必要なところに優先順位をつけていくことなど、事前の打ち合わせが重要という。100メートル単位で区間を分けて実際に走り、ひび割れやわだちはもとより、道路のわずかな「段差」もリストアップ。優先的に改修する区間を決める。

 「視覚的には分かりにくくても、車が多くバウンドするなど、状態変化の多い区間を見つけ、優先的に改修しないといけません」

 周りはほとんど男性の“男社会”。施工会社の男性から「監督は女性なのか」といぶかしがられることも少なくない。最初は萎縮したが、今は物おじせずに積極的に発言している。

 「物を作る仕事がしたかった」と大学では工学部建設学科を専攻。在学中、インドなど発展途上国を旅した際に、インフラの未発達を感じた。帰国した日本で、全国をつなぐ高速道路網などのインフラが経済成長を支えていることを改めて実感した。公共の道路造りに興味を持ち、平成20年に西日本高速道路に入社した。

 「活発で仕事にも積極的なので、現場の雰囲気も良くて貴重な人材」(同社総務課)と高く評価されている。同社ホームページで「若手女子社員『女性の働き方』ホンネトーク!」と題した女性社員6人による座談会の一人にも選ばれた。入社した当初、ギャップを感じたことは-という問いに、こう答えている。

 《私も新入社員のとき、『ホントにこんな仕事、新入社員がやっていいの?』と思うような工事の積算や発注業務を任され、必死でがんばりました。(中略)1年目から、すごく充実していたと思います》

 日本道路公団から民営化された17年以降の採用社員の中で女性は約2割。やはりまだ応募自体が少ないのが現状だが、差別的な視線を体感することはほとんどなくなったという。

 道路が新しく舗装され、走りやすくなったことを実感するたびに、仕事のおもしろさも分かってきた。「お客さまにとって当たり前にある高速道路を存続させることが使命」。夢は、日本を飛び出して世界の道路をつなぐことだ。今年の名神集中工事は、15~20日と22~27日。期間中、吹田-瀬田東インターチェンジ間などが夜間(午後8時~翌午前6時)通行止めとなる。

最終更新:5/12(金) 16:11

産経新聞