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<紋別市汚職>シカわな購入入札で便宜、職員逮捕 北海道警

毎日新聞 5/12(金) 21:16配信

 北海道紋別市のエゾシカによる農業被害防止対策をめぐり、業者に便宜を図った見返りに現金を受け取ったとして、北海道警は12日、紋別市職員、菅原豪容疑者(47)=同市大山町=を加重収賄容疑で逮捕した。道警は認否を明らかにしていない。

 逮捕容疑は、市などで構成する「鳥獣被害防止対策協議会」発注のエゾシカ捕獲用わな購入に関する指名競争入札が2014年1月に適正に実施されたように装い、石狩地方の狩猟用資材販売業者と約300万円で不正に契約。見返りに同年2月、業者の社長から約100万円の現金を受け取ったとしている。贈賄側は時効が成立している。

 菅原容疑者は13年4月~16年3月、市農政林務課の職員。同課に事務局を置く対策協議会によるエゾシカなどの鳥獣被害防止事業で、契約書類作成などの実務を担当していた。捜査関係者によると、指名競争入札に参加する業者の選定を実質的に取り仕切っていたという。

 発注されたわなは、囲いの中に餌を入れておびき寄せ、逃げられないようにする仕組み。

 紋別市の鳥獣被害防止対策協議会は、農作物を荒らすエゾシカが増えたため、駆除して頭数を調整する目的で11年7月、紋別市と道猟友会紋別支部など関係団体により設置された。12年度のエゾシカによる市の農業被害額が約7000万円に達したため、協議会は13年度に「紋別市鳥獣被害防止計画」を策定し、14~16年度の3年間で3700頭のエゾシカを駆除する計画を立てた。

 道警は12日夜、紋別市役所など関係箇所を家宅捜索した。【真貝恒平、本多竹志、安達恒太郎】

 ◇鳥獣被害の8割エゾシカ

 北海道によると、エゾシカは明治期の乱獲や豪雪で激減したが、その後の保護政策などで生息域を拡大。ピークとみられる2010年度には生息数が推定で66万頭に達し、農作物被害も深刻になった。

 このため道は10~14年度に年間10万~14万頭を捕獲するなど対策を強化し、15年度の推定生息数は47万頭に減少。同年度の農林業被害額は約43億円とされる。

 道によると15年度の野生鳥獣による農林水産業の被害(トド、アザラシなど海獣を除く)は50億8700万円で、エゾシカは全体の約8割を占めることになり、その頭数管理は鳥獣被害対策の中心となっている。

 エゾシカの被害が最も多いのは釧路地方の12億4700万円で全体の29.3%。根室地方6億1100万円(14.4%)、十勝地方5億7800万円(13.6%)、紋別市を含むオホーツク地方4億4900万円(10.6%)と続く。【三沢邦彦、源馬のぞみ】

最終更新:5/12(金) 22:06

毎日新聞