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<北朝鮮内部>日本の2倍の地域も ガソリン高騰で交通混乱 物価もじわり上昇

5/12(金) 5:10配信

アジアプレス・ネットワーク

北朝鮮国内で燃料価格が急騰し、食糧などの物価も上昇傾向にあることが、北朝鮮北部に住む取材協力者の調査でわかった。特にガソリンの市場価格は、二か月間で2.5倍と高騰。人と物の輸送に支障が出始めている(カン・ジウォン)

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複数の取材パートナーが、北部の両江道と咸鏡北道の二都市の市場価格を調べ、5月10日に伝えてきたところによると、ガソリンの市場価格は、二都市平均で1リットルが18000ウォン=約247円、軽油は12000ウォン=約156円だった。二か月前の3月10日に比べると約2.5倍に急騰している。5月初めの日本国内のガソリン価格は概ね123-125円程度なのでほぼ2倍になる。


協力者の一人は、国内の状況を次のように説明する。

「長距離バスと『サービ車』が通常の三分の一程しか走っていない。運賃も上がり、商売のために移動する人や、荷物を送る人たちが鉄道に集中している。しかし(電力難で)列車も正常運行していないので混乱している。ただ、外貨稼ぎ会社のトラックは動いている」
※「サービ車」とは、トラックの荷台やバスに、金を取って客を乗せる非国営の商業的な交通機関のこと。


4月末以降、平壌のガソリンスタンドの価格が上昇していると、AP通信などが伝えているが、これは国営企業による専売価格の統制によるものと思われる。

今回の調査で、地方でバスや「サービ車」の運行が激減していて、燃料価格が高騰しているいることがわかった。燃料の供給になんらかの制限がかけられたため、市場でも燃料の流通が減っているものと推測される。

運送手段の停滞によって物価の上昇も起こっているようだ。取材協力者は
「すべての物価が、じりじり上昇傾向だ。といっても、モノを売らないという現象はない」
と述べた。


5月10日時点の食糧価格は、二都市平均で国内産白米が5100ウォン= 約68円、トウモロコシは2700ウォン=約35円(1キロ当たり)。二か月前に比べ白米は約7%、トウモロコシは30%上昇している。

また北朝鮮ウォンの対中国人民元の実勢交換レートは、1元=12400ウォンで、二か月前に比べ4%下落している。

中国が北朝鮮に対する燃料供給を制限したことはまだ確認されていない。それでも燃料価格が急騰しているのは、先々の燃料難を予測した北朝鮮当局が、外貨節約と燃料備蓄のために国内のガソリン流通を強く統制しているためだと考えられる。