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金品の流れ焦点 売却益の証言も 北海道本別町の元職員税情報漏えい事件

十勝毎日新聞 電子版 5/12(金) 13:55配信

 11日に地方税法違反(秘密漏えい)と有印私文書偽造・同行使などの容疑で元町職員本寺一彦、農場作業員佐藤隆夫の両容疑者が逮捕された本別町。法を守るべき公務員が個人情報を悪用していたとされる事件の構図に、町内には衝撃が走っている。道警捜査2課などは、2人の間の金品の流れについても調べを進めていく方針で、今後の1つの焦点になる。

 本寺容疑者は2015年の退職まで、税務課主査、住民課長補佐などを務めた。元同僚は「人なつっこく、熱心で高齢者に信頼があった」と語る。

 一方で、昨年6月に発覚した町税の不適切処理問題の当事者で、戒告処分を受けた後、15年3月末に自主退職。この問題で町は「自治体は捜査機関ではなく、犯罪の確証は取れなかった」と結論付けていた。

 佐藤容疑者は町内での大豆大規模生産を視野に13年に秋田から移住。当時の農業委員会委員は「就農証明もなく、初めは農地取得を認めなかった」と振り返る。徐々に立ち木の売買を手掛けるようになり、本寺容疑者とはこの時期を前後して親密になったとされる。

 2人は複数回、町内の林などで一緒にいるところを目撃されていた。40代の農業者は15年春、2人が町美里別東の立ち木のある畑から出てくるのを目にし、「土地の人ではなく不自然な感じ、何かを調査しているようだった」と話す。

 製材会社への木の売却で、佐藤容疑者は1000万円以上の利益を得ていたとの証言もある。捜査当局は逮捕容疑となった山林以外の余罪や、木の売却益、本寺容疑者の金品受け取りの可能性もあるとみて慎重に捜査している。

 町は税の不適切問題を受け、昨年12月に収納業務のマニュアル化など再発防止策を策定。

 法令順守への職員研修も行ってきたが、今回の事態について、町内の60代男性商店主は「役場全員がそうだとは思わないが、信用に関わる問題」と厳しいまなざしを向ける。

 町民の批判は強く、70代男性は「税の不適切処理もうやむや、町の納得のいく説明がほしい」と指摘。60代農業者は「職員に無理を強いているのではないか」と役場の体制を疑問視する一方、40代主婦は「ここまでくると個人の問題では」と受け止めている。

十勝毎日新聞

最終更新:5/12(金) 13:55

十勝毎日新聞 電子版