ここから本文です

境川巡り浸水想定ズレ 相模原市と町田市 雨量で差、戸惑う声も

カナロコ by 神奈川新聞 5/12(金) 20:39配信

 相模原市と東京都町田市の境を流れる2級河川「境川」を巡り、両市の洪水ハザードマップで浸水時の水位に2メートル以上の違いが出ている。100年に一度の大雨を想定する相模原市に対し、町田市はさらに激しい雨による深刻な被害を想定しているためだ。護岸や周囲の地形は大きく変わらないが、町田市側だけに洪水想定域が広がる現状に相模原市民からは戸惑いの声が上がっている。

 相模原市のマップ(2009年作製、15年連絡先など改訂)では、「100年に1回程度発生すると想定された大雨」が降り、24時間雨量が292ミリに達すると規定している。境川に近い避難所の市立宮上小学校(同市緑区橋本4丁目)は、上流や下流に50センチ未満の浸水域があるものの、それを上回る洪水の心配はないように見える。

 一方、町田市のマップ(05年作製)では広い範囲の浸水被害を想定。同小学校の対岸に2メートル以上の深さの浸水域が広がっている。同市によると、00年9月の東海豪雨を基に総雨量589ミリ、時間最大雨量114ミリを想定。相模原市が想定する24時間雨量に約3時間で達してしまうほどの激しい雨だ。

 想定雨量の違いについて町田市防災課は「町田市が特別というわけではなく、八王子市も同じ想定。都が都市型水害を重く捉えているのではないか」と話す。都によると、東海豪雨を基にしたのは、当時頻発するようになった短時間豪雨のリスクを考慮したためという。相模原市危機管理課は「それぞれ自治体によって考え方がある。県の発表に基づいたデータを使うため、市では修正できない」と話す。

 こうした食い違いを解消することにつながる最大級の雨が降った場合の洪水想定は、近年の水害の深刻化や温暖化などを踏まえ、2年前に改正された水防法に基づき1級河川が先行する形で進められている。県は3月末、1級河川の相模川河口から34・2キロ(相模原市緑区)までの中流を対象に、最大級の洪水を想定した浸水予測図を発表したばかり。県河川課は「境川についても作成中だが、夏までは難しい。本年度中をめどに急ぎたい」と話す。

 境川近くに住む相模原市緑区の男性は「町田市側は12年前から今回の改正水防法の基準に匹敵するような想定をしている。ハザードマップの目的を考えれば、想定外をなくす厳しい基準で備えてほしい」と訴えている。

最終更新:5/12(金) 20:39

カナロコ by 神奈川新聞