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県内空き家1万6316戸 全市町村 本紙アンケート

5/12(金) 0:41配信

北日本新聞

 県内15市町村が把握している「空き家」は4月時点で計1万6316戸だったことが11日、北日本新聞の各自治体へのアンケート調査で分かった。対象とする空き家の定義や調査方法は自治体で異なり、空き家の厳密な把握が難しい現実も明らかになった。地域ごとの実態や問題点を比較検討し、施策を効率的に進めるためには、客観的なデータが欠かせない。識者は「県内で統一したガイドラインを打ち出すことも方法の一つ」と指摘する。

 総務省の5年置きの調査では、直近の2013年時点で県内には5万6200戸の空き家があるとされた。調査員が外観から判断した抽出調査で、空き家率は12・8%、8戸に1戸を空き家が占めるという内容だ。だが、この数字は別荘やセカンドハウス、賃貸・売却用の物件、アパートの空室も含んでいる。

 北日本新聞は今回、県内15市町村にアンケート形式で取材した。各自治体で把握している空き家の数と、その定義などを尋ねた。4月時点で全市町村が調査を行い、総数は1万6316戸。ただし、南砺市は調査中の数字で、氷見市は市街地のみを対象としている。

 課題は「空き家」の定義が各自治体で統一されていないこと。「水道・電気が整備済みで人が居住できる一戸建て。民間人が所有し、常時無人」(魚津市)、「個人が居住の目的として建築し、1カ月以上居住実態のない家屋」(砺波市)など条件はさまざまだ。多くは居住実態のない一戸建ての家屋を調査対象にするが、ビルや事務所などを含む自治体もあった。

 調査手法も自治会に依頼したり、情報を基に現地調査したりと統一されていない。魚津市の担当者は「住民による調査では、人によって捉える空き家の概念が異なるのが課題」と言う。

 間もなく全面施行2年を迎える空き家対策特別措置法では、人が住んでいない「空き家」と、倒壊の恐れなどがある「特定空き家」を定義。そのうち空き家は「建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地」としている。

 年間を通じて使用実績がないことが基準の一つで、黒部市は特措法の定義に基づき今年1月の調査を実施し、988戸を確認した。本年度、5年ぶりに空き家の調査を行う小矢部市も定義に準じる。特定空き家に関しては6市町で63戸が確認された。

 空き家問題に詳しい米山秀隆富士通総研主席研究員は「空き家の定義は統一した方がいいが、調査には時間と人手が要る。今後活用できるガイドラインを県が打ち出すことも方法の一つ」としている。 (社会部・柳田伍絵)

北日本新聞社

最終更新:5/12(金) 16:12
北日本新聞