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「義太夫語り」伝統受け継ぐ 94歳から72歳へ、お旅まつりきょう開幕

5/12(金) 2:12配信

北國新聞社

 12日に小松市で開幕する「お旅まつり」で、曳山(ひきやま)子供歌舞伎を臨場感あふれる語りで盛り上げる「義太夫語り」に新たな担い手が加わった。昨年まで62年にわたって務めた後藤長平さん(94)=同市東町=が退くため、子供歌舞伎を指導している北野勝彦さん(72)=同市殿町2丁目=が「新顔」の語り手となり、後進の指導でも大ベテランの抜ける穴を埋めようと奮闘している。

 後藤さんは1954(昭和29)年に曳山子供歌舞伎の初舞台を踏んで以来、昨年まで毎年、曳山で義太夫を務めてきた。2001年には北國風雪賞を受賞した。「腹から声を出す義太夫は体力がなければ語れない」として、今年から出演を取りやめた。

 後継者として期待される北野さんは86年から市内で歌舞伎「勧進帳」の指導に携わり、義太夫語りの技術も磨いた。ただ、曳山子供歌舞伎には2014年に1公演に出演したのみで、まだ「新顔」となる。今年は3日間で4公演を担当する予定で、初の本格的な出演となるが、後藤さんは「北野君は義太夫の基礎が分かっている。安心して任せられる」と太鼓判を押す。

 北野さんによると、現在市内で曳山に出演できる技術を持つ義太夫語りは、最高齢の後藤さんを含め4人しかいない。このため、県外から助っ人を呼ぶこともある。

 今年、中町の曳山は北野さんと茶谷公樹さん(45)=同市安宅町=の2人が担当する。15年前から後藤さんの指導で曳山子供歌舞伎に参加してきた茶谷さんだが、まだ練習が必要だとし「自分としては後藤先生は引退したと思っていない。今年はただ一生懸命やるだけ」と話す。

 中町の稽古では、茶谷さんの語りに北野さんから「動きに合わせて」などと厳しい指導の声が飛ぶ。北野さんは「後藤先生の技量に比べれば自分はまだ未熟だが、誠心誠意頑張る」と伝統継承へ決意を語った。

北國新聞社

最終更新:5/12(金) 2:37
北國新聞社