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原田日銀審議委員:「インフレ税」に前向き、現金違法取引への課税に

5/12(金) 18:54配信

Bloomberg

日本銀行の原田泰審議委員は12日、市中に出回る現金の一部が違法取引に利用されているとして、インフレを起こすことで事実上の課税を行う「インフレ税」に前向きな見方を示した。都内で開かれたシンポジウムで話した。

原田委員は、「日本では赤ん坊を含む国民1人が保有する現金が80万円に達し、4人家族なら一家に240万円のもの現金を保有していることになる」とした上で、「これは多過ぎる。その一部は違法取引に利用されていると思う」と指摘。貨幣価値を低下させるインフレ税は「違法取引に対する税金でもあり、その意味ではインフレ税は良いかもしれない」と語った。

インフレで通貨の価値が低下すれば、国債の価値も下がり、政府の債務負担は実質的に軽減される。原田氏は「財政赤字が累積したのはデフレのせいであり、デフレをインフレに変えることができれば、名目GDP(国内総生産)が増えるので、財政赤字問題を解決することができる」と主張した。

日銀の金融政策については「量的・質的金融緩和は素晴らしい実績を残した」と称賛。財政赤字の対名目GDP比率は既に低下しており、「日本の財政赤字問題はある程度解決した」と述べた。

一方、インフレ率が日銀が目指す2%に上昇すれば、「長期金利は2%以上、たぶん3%近くに上昇する」と指摘し、中期的に財政赤字を解決する良い方法ではあるが、長期的にはその効果は低減するとも語った。

Masahiro Hidaka

最終更新:5/12(金) 18:54
Bloomberg