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<浜岡再稼働>7首長「同意範囲拡大を」半径30キロ圏調査

毎日新聞 5/13(土) 6:30配信

 中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の再稼働に必要な「地元同意」の範囲について、半径30キロ圏の緊急防護措置区域(UPZ)までに含まれる11市町の首長のうち7首長が、県と立地自治体(御前崎市)以外の同意も必要という意向で、うち3首長は再稼働に反対していることが、毎日新聞のアンケート調査で分かった。同意の範囲に明確な法的規定はないが、東京電力福島第1原発事故後、従来の県と立地自治体だけでなく、UPZの範囲などで広く同意を求める要望が各地で起き、議論が続いている。【松岡大地、井上知大】

 6月の知事選に出馬表明している川勝平太知事は「住民投票の実施」を主張し、過去に11市町の関与を認める姿勢も示しており、知事選の大きな論点の一つになりそうだ。

 政府要請で浜岡原発が完全停止してから14日で6年となるため、知事と11市町の首長に、県のほかの「地元同意」の範囲を選択式で尋ねたところ、30キロ圏の11市町=5人▽10キロ圏の4市=1人▽県内全市町=1人の計7人で、立地自治体のみは御前崎市だけだった。

 「30キロ圏内」と回答した西原茂樹・牧之原市長は「事故後、原子力災害対策指針で決めた30キロ圏内までの同意が必要。住民の安全を確保する責務がある」と指摘。「県内全市町」を選んだ太田康雄・森町長は「国のエネルギー政策として原発採用に同意を求めるには、広く意見を聞くことが必要」とした。

 ほかの4人は範囲について「その他」を選んだが「国が対象となる範囲を明確に定めるべきだ」(北村正平・藤枝市長)「国や県、関係市町で十分に協議していくことが大切」(中野弘道・焼津市長)など国の関与への期待が目立った。

 川勝知事は「地元同意の範囲を具体的に判断する時期ではない」としつつ、「主権在民の原則から住民投票の実施が必要」と回答した。

 一方、「再稼働の賛否」については「賛成」か「条件が整えば賛成」はおらず、島田、袋井、牧之原の3市長が反対、その他7人、現時点で判断できないが2人だった。

 浜岡原発は安全審査を申請中の3、4号機とも福島第1原発と同じ沸騰水型であるほか、南海トラフ巨大地震の想定震源域の真上にあるため、福島の事故後、想定される最大の揺れの程度が引き上げられる見込みで、審査は長期化している。

 【ことば】緊急防護措置区域(UPZ)

 原発からおおむね半径5~30キロ圏内とされ、区域内の自治体は避難計画策定などが必要。原発から5キロ圏の予防防護措置区域(PAZ)の外側にあたる。福島第1原発事故以前は、避難方法の周知などが求められる防災対策重点地域(EPZ)が8~10キロ圏内に設定されていたが、10キロ圏外でも避難に混乱が生じ、国の原子力災害対策指針が改められ、UPZとPAZが設定された。

 ◇浜岡原発を巡る首長アンケートの回答

自治体名 地元同意の範囲     再稼働

静岡県  検討する段階にない   ▲

<10キロ圏4市>

御前崎市 県と御前崎市      △

掛川市  県と30キロ圏11市町 ▲

菊川市  県と10キロ圏4市   ▲

牧之原市 県と30キロ圏11市町 ×

<30キロ圏7市町>

島田市  県と30キロ圏11市町 ×

磐田市  国が判断すべきだ    ▲

焼津市  国や自治体で協議    ▲

藤枝市  地元の範囲明確化を   ▲

袋井市  県と30キロ圏11市町 ×

吉田町  県と30キロ圏11市町 ▲

森町   県と県内全35市町   △

 ×反対、△現時点では判断できない、▲その他

最終更新:5/13(土) 20:40

毎日新聞