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沖縄の郷土食「チーイリチャー(血の炒め煮)」姿消す 食肉センター、血の出荷停止

5/13(土) 8:30配信

琉球新報

 【北部】県北部食肉協業組合(名護市食肉センター)が、法律で定められた食肉処理の方法を取っていなかったとし、県の行政指導を受け、沖縄の郷土料理「チーイリチャー」(豚の血の炒め煮、チーイリチー)の素材となる豚の血の出荷を4月12日から停止していることが分かった。出荷再開には、大幅な設備改修や人員の確保が必要となり再開のめどはたっていない。本島で豚の血を出荷しているのは同センターだけ。ファンから熱狂的な支持を集める「チーイリチャー」の販売を中止せざるを得ない飲食店が多数出ており、地域の食文化に影響を与えそうだ。

 国の「と畜場法施行規則、食品衛生法施行規則および食品、添加物等の規格基準」では、採血時の規格基準として(1)採血後直ちに4度以下に冷却すること(2)採血は1頭ごとに洗浄した採血用ナイフを用いること(3)血液貯留室が他の部屋と区画されていること―などが記されている。

 食肉センターではこれまで、1週間に200~300頭の豚の血を採取していた。豚に電気ショックを与えて気絶させた後、ベルトコンベヤーで流れてきた豚の首にナイフを刺し採血していた。採血する際に、全ての豚に同じナイフを使用していたほか、血を4度以下に冷却する作業を怠っていた。

 県は2011年から指導をしていたが、改善されていなかった。県の担当者は「血液採取時は冷却器や、ろ過器が必要で貯留槽に保管することも決まっている。(食肉センターには)そういう設備がない状況。衛生的な取り扱いや構造ができておらず衛生的な担保がとれていない」と話した。

 出荷を再開するためには、血を冷却するための冷蔵庫の設置や人員配置が必要になる。施設の改修や人員コスト増は避けられず、豚の血の出荷再開までに時間を要しそうだ。

 食肉センターの上原守理事長は「沖縄の食文化を守るために血の販売をやめることはしない。ただ単価は上がると思う」と話した。

 その上で「再開のめどは全くたっていない。できるだけ早めに再開できるように再設備、再投資をしていきたい。具体的なやり方については行政機関と調整して対応していきたい」と話した。(阪口彩子)

琉球新報社

最終更新:5/13(土) 11:01
琉球新報