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相場下落の「セルインメイ」 今年の5月はどうなるか?

5/13(土) 12:40配信

ZUU online

株式市場には「5月には株が売られる(Sell in May)」という有名な格言がある。これは5月は株が下げやすい(売られやすい)ので、株を保有している投資家は警戒すべきという一種の戒めとなっている。日本の市場関係者の間でも5月を控えると一時的に緊張感が高まることで有名だが、果たして今年の5月は株が売られるのだろうか。

ちなみになぜ5月に株が売られるという話が定着したのかについては特に明確な理由はなく、長い市場の歴史の中で作られた一種のアノマリー(株の値動きの傾向)だと考えられている。

過去の5月の傾向を振り返ると同時に、今年はセルインメイが生じるかどうかを考えていこう。

■過去の5月は上がった? 下がった?

2017年5月に格言通りの売りが入るかどうか気になるところだが、過去の5月はどうだったのか確認してみよう。

5月開始日の始値から5月最終日の終値までで日経平均株価が上昇したか下落したかで結果を見てみる。以下が過去16年分の結果だ。

【年次/上昇・下落の別/始値/終値】
2001年 下落 14096.32 13262.14
2002年 上昇 11540.09 11763.70
2003年 上昇 7804.03 8424.51
2004年 下落 11777.44 11236.37
2005年 上昇 10954.21 11276.59
2006年 下落 16929.83 15467.33
2007年 上昇 17396.30 17875.75
2008年 上昇 13802.59 14338.54
2009年 上昇 8848.84 9522.50
2010年 下落 10847.90 9786.70
2011年 下落 9964.39 9693.73
2012年 下落 9471.66 8542.73
2013年 下落 13837.72 13774.54
2014年 上昇 14341.09 14632.38
2015年 上昇 19510.85 20563.15
2016年 上昇 16357.10 17234.98

(数値は楽天証券マーケットスピードより取得)

以上過去16年分の5月の成績は、上昇が9回、下落が7回となっている。

直近だと2013年5月に起きた日経平均株価の暴落が記憶に新しいが、5月のみの騰落幅をみると24円ほどしか安くなっていない。つまりその時の暴落は、5月の大幅上昇を消す反動としての下げだったと言える。

ちなみにアメリカを代表するニューヨークダウ30種平均の毎年の5月の上昇下落も過去16年間を遡っていると9上昇、7下落と日経平均株価と同じ結果であった。

こうしてみると「Sell in May」は本当にあるのか? という話になる。5月だけ抜き出してみるとむしろ相場は上昇しているときのほうが多いのだ。

2013年の時のようなインパクトのある暴落があるとどうしてもセルインメイと結びつけてしまいがちだが、実際には5月にはそれほど売りはないといえそうだ。

■では、今年の5月はどうなるだろうか?

上記の過去の傾向から見ても明確に5月は株価が売られるとは言えなさそうだ。特に今年はトランプ大統領就任後の記念すべき1年目である上、米国株が昨年11月以降は絶好調ということもあり、にわかに大幅な暴落がおきるとは考え難い。

また4月に始まった地政学的リスク(北朝鮮関連)においても日本市場は敏感に反応し、日経平均株価が一時高値から1500円程度下落したが、ニューヨークダウはほとんど反応せず高値圏を維持したままである。

そして5月に入り地政学的リスクはすっかりと身を潜め、日経平均株価もついに大台2万円を射程にとらえている。このままいけば今年の5月は比較的安定的な推移をするのではなかろうか。

筆者としてはセルインメイに代わる売りは実は4月の売りでほぼ完了したのでは、と捉えている。ただし、下がる懸念が全くないとはもちろん言えない。リスクの再燃という問題があるからだ。

■地政学的リスクの再燃には要注意

ニューヨークダウや日経平均株価のような全体相場が売られ始める時は、過去に生じたリスクの再燃という形をとる場合がある。そのような時には、市場に生じたリスクがひと段落して株価が上昇を続けた後に、再度そのリスクが噴出し株価が急に下げ始める。

市場は楽観的な見方となってしまっている場合が多いので、再び「◯◯のリスクが再燃」というニュースと共に全体相場が大きく下落すると、それがパニック売りの引き金となることが多いのである。

特に今は日経平均株価が2万円という高値圏で推移しているため、一度株価が売られ始めると一気に値崩れすることも考えられる。

筆者個人の見解としては2017年5月の相場は安定的に推移すると見ているが、上記のようなリスクの再燃には十分注意したい。

谷山歩(たにやま あゆみ)
早稲田大学法学部を卒業後、証券会社にてディーリング業務に従事。Yahoo!ファイナンスにてコラムニストとしても活動。日経BP社の「日本の億万投資家名鑑」などでも掲載されるなど個人投資家としても活動中。個人ブログ「インカムライフ.com」。著書に「超優待投資・草食編」がある。

最終更新:5/13(土) 12:40
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