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「光医療」の人材育成 静大、浜医大が共同で大学院

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS 5/13(土) 7:35配信

 静岡大と浜松医科大は12日までに、共同で大学院を設置し、センサーやレーザーなど光技術の医療応用に向けた人材育成を目指す博士課程「光医工学共同専攻」を新設する方針を固めた。既に文部科学省の大学設置審議会に申請を済ませ、認可を受ければ2018年度からスタートする計画。両大学も交えた光研究の産学連携が進む浜松市で、最先端の光技術を駆使した高度医療の開発を加速させる。

 両大学による共同の大学院が設置されれば初のケースとなる。イメージング技術やナノテクノロジー(超微細技術)など光工学を強みとする静岡大と、革新的な医療機器・技術の開発を進める浜松医大の連携により、光・電子工学と医療の両分野に精通した人材育成を図る。光医工学を専門とする大学院は全国にもなく、浜松医大の山本清二副学長は「まだ未開拓な分野。学際的にもこれから取り組むべき重要な領域だ」と語る。

 学生の定員枠は静岡大から5人、浜松医大から3人の予定。必要に応じて、互いに浜松市内のキャンパスを行き来し、両大学の教授から指導を受ける。3年間の課程を修了すれば、両大学名が入った学位が授与されることになる。

 両大学は13年、浜松ホトニクスやベンチャー企業を育成する光産業創成大学院大とともに、光産業における世界の先端都市を目指す「浜松光宣言」に調印した。ことし4月には静大浜松キャンパスに光・電子事業の支援拠点「フォトンバレーセンター」も設置されるなど、光の技術開発や産業化に向けた産学官の連携が進む。

 静岡大の木村雅和副学長は「大学院の設置は産業への貢献も期待できる。光宣言を土台に、ようやく人材育成の体制が整いつつある」と手応えを語る。



 ■光を活用 治療開発進む

 レーザーやセンサーなど光技術を活用した医療は患者の被ばくがなく、人体を傷つけずに治療や観察ができるなどメリットは多い。浜松医科大フォトニクス医学研究部の間賀田泰寛部長は「波長を変えれば用途の幅も広がる。光を活用した治療法や医療機器は、今後ますます開発が進む」と語る。

 同大と浜松ホトニクス、浜松医療センターが開発した脳血栓を溶解除去するレーザー治療は、既に治験が始まっている。血栓のみに吸収される波長の光を当てるため、血管など周辺組織への影響が少ない安全な治療法として期待される。このほか、標的薬を用いてレーザーを照射し、がん細胞を破壊する治療法も確立されている。

 がん細胞の生物学的な変化を画像変換し、がんの早期発見につなげるPET(陽電子放射断層撮影)など、光技術を用いた診断も研究開発が進む。

 浜松ホトニクスPET研究グループの塚田秀夫グループ長は「医療と光工学の両方が分かる専門家がいれば、1プラス1が3にも4にもなる」と人材育成の必要性を強調する。

静岡新聞社

最終更新:5/13(土) 7:35

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS