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やしろあずきの調査―― 中二病って本当に中学2年生で発症するの? 現役中学教師に聞いてみた!

5/13(土) 12:10配信

ねとらぼ

 こんにちは。漫画家のやしろあずきです。

 さて、皆さまは「中二病」をご存じでしょうか。

【画像】中学2年生ごろのやしろあずき

 ここを見に来ているような人であればたいていの人は知っていると思うのですが、一応説明をしておくと中二病とは、

「中学2年生頃(ごろ)の思春期に見られる、背伸びしがちな言動を自虐する語。転じて、思春期にありがちな自己愛に満ちた空想や嗜好などを揶揄(やゆ)したネットスラング」(Wikipediaより)

……というものらしい。ちなみに「病」と付いていますが医学的な意味での病気や精神疾患とは関係ないそうです。詰まるところただの痛い人ということです。

 まあ、授業中にテロリストが教室に押し入って来た所を自分が救世主となり皆を救う妄想だとか、格好良いと思って眼帯を付けてみたりだとか、マッキーで身体中にタトゥーもどきを描いてみたりだとか、自分は堕天使の生まれ変わりだと本気で思い込んだりとか……。

 こういったこともまとめて「中二病」と言ってしまえると思います。読者の皆さまも何か思い当たることがあるのではないでしょうか。ちなみに上記にあげた例の眼帯とマッキータトゥーと堕天使は全部僕のことです。

 そう、ぶっちゃけもう僕の記事を読んでくれている人は十分すぎるほど知っているとは思うんですが、僕は中学時代生粋の、純度100%の中二病罹患者だったのです。

 さて、そんな中二病のスペシャリストであった僕は思ったのです。

 「中二病ってWikipediaにも書いてあるように中学2年生ごろの思春期になったら絶対発症するものなのか?」と。

 ちなみに僕が完全なる中二病として開花したのは小学生気分が抜けきった中学2年生ごろ。そのときにつるんでいた当時僕が神聖騎士団員と呼んでいた中二病仲間たちも大体皆中学2年ごろに中二病としての道を歩み始めていました。

 だけど! よくよく思い返してみるとクラスメイトの中には全く中二病っぽくない奴も多数存在していたと思うんですよ。手に紋章が描いてない昼休みにバスケとかやってて女の子にキャーキャー言われてるような奴とか。

 それってつまり「中学2年になっても中二病を発症していない人間」もいる可能性があるということですよね? もしそうだとすれば中二病にならずに済む方法だってあるに違いありません。

 僕だってそりゃ放課後体中にマッキーで紋章を描いたらそれが落ちず、しょうがなくそのまま家に帰ってる途中に別中のヤンキーにめちゃくちゃ絡まれるような中学生活よりは、昼休みにバスケをやって女子にモテる中学生活を送りたかったです。

 もし……もし中二病にならずに済む方法があるならそれを広めて1人でも多く僕のような被害者を減らしたい……。

 きっと中学2年になっても中二病を発症せず、まっさらな気持ちでスクールライフを楽しんでいる中学生だっているはずです!!

 でもそんな中学生どうやって探せば……むしろ中二病はなんで中学2年生に発症するんだろう……いろいろ聞いてみたい……一体誰に聞けば……。

 中二病に詳しい……中学生に詳しい……中学生と常に一緒にいる……ん? そうか……そうだ!!!

 先生に聞こう!!!

 ……というわけで!!! 中二病を発症しない中学生はいるのか、中二病とはそもそも一体なんで発症するモノなのかなどなど……中二病について気になるアレやコレを……

現役中学教師の方に聞いてみることにしました!!!


●現役中学教師と対談開始!

やしろ「というわけで、こちら中学教師6年目になるM先生です!! 今回は取材をお受けいただきありがとうございます!!」

先生「いえ、こちらこそよろしくお願い致します」

やしろ「早速ですが先生、『中二病』というものは聞いたことがありますか?」

先生「もちろんです! 私も普通にネットはよく見ますし、先生の間でもそういう話になったりしますよ」

やしろ「そ、そういう話?」

先生「『○組の××君、中二病キテるね~』みたいな話です」

やしろ「うわあ……僕が中学時代に中二病なんて言葉があったら絶対に言われてたんだろうな……」

先生「まあでもほら、中二病の子って根はマジメでいい子が多いですから」

やしろ「きれいなフォローありがとうございます……さて本題なんですが、先生は6年間ずっと中学校で教師をされているんですよね」

先生「はい。ずっと中学校です。学校自体は数回変わってますが……」

やしろ「では、そりゃもう星の数ほどの中学生を見てきて、接してきているわけじゃないですか」

先生「そうですね」

やしろ「詰まる所、星の数ほどの中二病罹患者を見てきていると!!!」

先生「そうとも言えます」

やしろ「ではさすがにその中に、中学二年になって中二病を発症しなかった子はいたんじゃないでしょうか!? いましたよね!?」

先生「ああ……うーーん……ううん……」

やしろ「あれ……?」

先生「うーーーーーーーん」

やしろ「あれれ」

先生「いや、皆中二病でしたね」

やしろ「うそだァーーーーー!? ええ~~~~……男子も女子も……?」

先生「はい。男子も女子も。そりゃ中学2年生になって突然変異のように中二病になるってわけじゃあないですけど。大体そのぐらいの年齢で皆中二病になってましたよ」

やしろ「そんな……6年間見てきた全ての中学生が眼帯をして身体に闇の紋章を刻みながらノートに謎の造形文字みたいなのを書きつづっていた闇の歴史の持ち主だとでも……」

先生「何の話してるんですか。いや、中二病って全員が全員そういう感じってわけじゃないですよ……そういうのは中二病の一部の人たちのことだと思います」

やしろ「あ、確かに……」

先生「私の見解なんですが、中二病にはいくつもの種類があると思っているんです。で、そのうちのどれか1つには中学2年生ぐらいで必ずかかってしまうんですよ」

●中二病の「種類」とは!?

やしろ「中二病の種類……ちなみにどんな感じなんですか?」

先生「背伸び型、不良型、孤立型、真性型の4つです」

やしろ「ほう」

先生「1つずつ説明しますね。まず背伸び型。これはまあ周りの人間のことを小さく見てしまうというか、特に理由もないのに自分が世の中の全てを知った気になってしまう症例です」

やしろ「ううん、身に覚えがあるぞ」

先生「周りの子たちに比べて自分はもっと上をいっている、大人の世界に足を踏み入れてるんだと主張したくなっちゃう。ある日急激に自分の中で世界が広がりを見せ、自分はこんな小さな鳥籠(中学校)の中で飛んでいるべきじゃないって思っちゃう感じ」

やしろ「義務教育なんだからおとなしく飛んでいてくれ」

先生「症状としては、突然新聞を学校に持ってきて読み始めたり、突然政治の話を会話に絡めてくるようになったり、全く意味が分からないのに朝のニュースの日経平均株価とかを見ながら『う~ん、なるほど……』とか言ったり」

やしろ「全然大人になれてないのに大人になった自分アピールをして空回りしちゃうやつですね……なるほど、これが背伸び型」

先生「あと突然全ての英語が筆記体になったりします」

やしろ「はい、僕ですね」

先生「次に不良型。これはアレです、ただのヤンキーですね」

やしろ「ヤンキーって中二病なんですか」

先生「いや、だってよく考えてみてくださいよ。全然格好よくないのにいきなり見せつけるようにタバコ吸い出したり、自転車のハンドルをひん曲げてバイクみたいにして乗り回したり……中二病でしょ? それ」

やしろ「確かにめちゃくちゃ中二病だ!!!!! なんだ、怖いと思ってたアイツもアイツも実は中二病だったんだ……なんかかわいく思えてきちゃったな……」

先生「結局、周りと違う自分を演出したいって行為自体が中二病だと思うんです。不良型の子の場合はその演出の方法がちょっと暴力とか、非行行為に寄っちゃってる感じかな」

やしろ「なるほど~~~ピザ屋のバイク盗んで逮捕されたH君も行き過ぎた中二病だったわけか……」

先生「それは犯罪者です」

先生「では次に3番目の孤立型。これは背伸び型が結構ひねくれちゃった感じのタイプで、自分は他とは違う、こんなくだらない人間たち(クラスメイト)と付き合ってる暇はないって考えから、回りの子たちと距離を置くような行動や立ち振る舞いをしちゃう子ですね」

やしろ「あ! いたいたそういう奴! 普通によく遊んで面白い奴だったのに、ある日を境に突然クールな感じのキャラになって何を言っても苦笑するし、返事が『あ?』とか『ははッ……』とかになってすげー絡みづらくなったな……」

先生「それは典型的な孤立型の症状ですね。クラスメイトに対して『しょうがないから子どもに構ってやってる』感を執拗(しつよう)に出してくるんですよね。気怠い感じで周りをあしらいつつ生活してても、そこに何かしらの魅力があるから何かと人は集まってくる。ラノベの主人公にでもなった気なんじゃないでしょうか。でも現実はただの根暗に見えちゃうので文字通りクラスメイトから孤立して終わるんですけど……」

やしろ「先生結構辛辣(しんらつ)ですね」

先生「さて、最後は真性型。これはなんというか、今まで説明してきたようなよくよく考えれば中二病って感じではなく、ネットでいう中二病そのままって感じの子ですね」

やしろ「……と、言うと……?」

先生「例えば、自分は他の人と違う力を持っているだとか、神の生まれ変わりだとか、特殊能力が使える闇の結社の人間だとか……そう思っているだけならいいですし、思っているだけであれば結構な子がそうだと思います。ただ真性型の子はその設定を思いっきり表に出しちゃうというか」

やしろ「……つまり、自分が堕天使の生まれ変わりだとか信じちゃって……実際になんか……鎖とかジャラジャラつけた服を着て街中をドヤ顔で闊歩(かっぽ)しちゃったりとかそういう……?」

先生「ああ、そうですね。そういうことです……まあ、そこまでする子ってなかなかいないと思うんですが……」

やしろ「そうですか……」

先生「これまで紹介したタイプの子は、心の底では『本当の自分』が分かってるって子が多いんですよね。それは三者面談とかで話していれば顕著に分かるんですけど……ただ、真性型の子は……やしろさんの言葉を借りると、本当に自分は堕天使の生まれ変わりだって信じちゃってるような子が多い、妄想の強さが現実を侵食してしまっているんですよね。一番手がつけられない子にこのタイプが多いです」

やしろ「…………」

先生「どうしました?」

やしろ「……いえ、大丈夫です……古傷がちょっと……でもよく分かりました! 確かに、中学時代のクラスメイトを思い返しても、どれかのタイプに何かしら当てはまっている所があった気がします!」


●中二病の「個人差」

先生「そうですね。ただ人によってその中二病的な考えや妄想をどこまで表に出すかの違い……個人差ですね。それがかなりあると思います。なのでそういった所で全然中二病じゃない感じの人とガッツリ中二病な人の差が出るんじゃないでしょうか」

やしろ「つまり、中学生にして恋人がいて昼休みにバスケとかやってキャーキャー言われちゃってるような人でも、家に帰ればノートに魔法陣を描いて自分が考えた召喚獣に名前とか付けている可能性もあるってことですよね?」

先生「あるでしょうね」

やしろ「それが聞けてよかった」

先生「あ、ただ昔に比べて今は中二病を表にガッツリ出している人は減った気がします」

やしろ「何でですか?」

先生「インターネットで中二病って言葉が一般的に使われるようになったからじゃないですかね……今の子は普通にネット見ますし、あ、こういうのって恥ずかしいことなんだ……とか自分で理解して自分の中だけで中二欲求を抑えちゃう子とかも多いんじゃないかと思います」

やしろ「インターネットに救われている」

先生「普通に『中二病~!!』っていじられてる男子とかいますからね」

やしろ「生まれる時代を間違えてたら確実に僕もそうなっていた」


●やしろあずきの中二病時代って?

先生「……さっきからちょくちょく気になるんですけど、やしろさんも割とぶっとんだ中二病だったんですか?」

やしろ「……そうか……先生には僕のことをただのねとらぼのライターだとしか紹介していませんでしたね……」

先生「は、はぁ……」

やしろ「……この間のネカマの記事で相当の恥をかいたから、もうこれ以上の恥はねとらぼじゃかきたくないと思ってましたが……いいでしょう。僕の中学時代の話……聞かせてあげましょう。そして僕がどのタイプの中二病だったか……どのぐらい中二病度が高かったのか先生に診断してもらいましょう!!」

先生「い、いいですけど……」

やしろ「というか僕と同じレベルの人がいたのか聞きたい。6年もやってるはずだったら絶対にいるはずですから!!!!」

先生「そこまで酷かったんですか……」

やしろ「10人に話したら10人にドン引きされるぐらいにはひどかったです」



 ……というわけで前編はここまでになります!

 中二病には色々な種類があって、大体どれかしらの症状に皆引っかかっているというのは非常に興味深い話でした。

 確かに、程度は違えどあの年代の子は皆「自分は他とは違う」という意識を持っていたと思いますし、皆どっかで中二病に引っかかっていたんだなーと思うと少しだけ過去の黒歴史が浄化されたような気分になりました。

 まあ僕はその中でも群を抜いて最悪の引っかかり方をしているという自覚はありますが。

 ……さて次回、後編はそんな僕の最悪の中二病時代を先生に赤裸々に晒(さら)して分析してもらいます。更に自分の子どもが中二病になったらどうすればいいのかと悩んでいる人のタメにもなる、中二病罹患者への対処法や先生が6年間に渡る中学生活で体験してきた実際にいた中二病の話、大人になっても中二病が抜けない人はなぜ存在するのかなど! 気になる中二病の話と触れられたくない僕の話にガンガン触れていこうと思っています!

 それではまた後編で! お楽しみに!

最終更新:5/13(土) 12:10
ねとらぼ