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稀勢の里、異常な“増量”の吉凶 強くはなるが鈍くなる…負傷の足枷になる可能性も

夕刊フジ 5/13(土) 16:56配信

 【稀勢の里 3連覇を阻む壁】

 今月2日、幕内・十両力士の2場所に1度の体重測定が行われた。際立ったのが稀勢の里の異常な増量ぶりだった。初場所前から実に9キロも増え、184キロ。幕内で6番目の重さだ。

 力士が体重を増やすことは強くなるために必須で、食べることも稽古の一つといわれる。このことを何よりも重視したのが、稀勢の里に力士の基本をたたき込んだ先代師匠(元横綱隆の里)で、平成元年2月に部屋を興すとき「日本一ちゃんこ(食事)を大事にする部屋を作る」と誓ったという。ちゃんこを作る台所の設備に力を注ぎ、手作りの麺を打つ麺台も2台あった。おかげで弟子たちの食生活は充実し、稀勢の里の体もひと際立派に成長。今年の初場所後に横綱に昇進したときは175キロになっていた。

 強くなり注目を浴びれば、さまざまな賞品や差し入れが相次ぐ。たとえば逆転優勝した春場所前には、出身地の茨城県から県産の野菜1トン、常陸牛ロース40キロ、初場所優勝賞品の福島県知事賞の米1トン、その他牛肉や農産物などが届いた。奈良県知事賞の「ちゃんこ大和尽くし300人前」というのもあった。

 これだけ豪華なちゃんこ材料がそろえば太るのも当たり前。ただ、太れば動きが鈍くなるなどの弊害も出てくる。横綱に昇進したとき、父親の貞彦さん(71)はそれを心配して「ちょっと太り過ぎだ。もう少し痩せて反応のいい体にしないと。このままだと日馬富士には(スピード負けして)勝てないと思う」と話した。春場所13日目、これが不幸にも的中。日馬富士にフトコロに飛び込まれて寄り倒され、土俵下に転落したとき左肩付近を痛めた。

 稀勢の里はひと回りふくよかになったことについて「暴飲暴食してなったワケじゃない。いろいろこだわってやってきた結果だ」と話し、むしろ歓迎している。確かに大きくなればパワーアップするし、見た目も福々しい。しかし、ただでさえ負傷で動きがセーブされているのに、さらなる足枷にならないか。

 11日に正式に夏場所(14日初日=東京・両国国技館)出場を決めた稀勢の里。増量が吉と出ればいいのだが。 (大見信昭)

最終更新:5/13(土) 16:56

夕刊フジ