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<けもフレ&このすば>「作画低カロリーアニメ」のヒット 業界の“常識”打破

まんたんウェブ 5/14(日) 11:00配信

 明るい話題に乏しい今年のアニメ業界で、“台風の目”となったのが「けものフレンズ(けもフレ)」と「この素晴らしき世界に祝福を!(このすば)2」だ。「けもフレ」の第1話はニコニコ動画の再生回数が500万回を突破し、歴代1位だった「魔法少女まどか☆マギカ」を超えた。「このすば2」も第1巻のブルーレイディスクの売り上げが1万本以上と好調だ。

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 二つのアニメには「作画のきれいさが最優先事項ではない」という共通点がある。大作とはほど遠い、「作画低カロリーアニメ」の2作品が支持を集めたことは、アニメ業界の“常識”に疑問を投げかけ、ビジネスモデルのあり方を一変させる可能性を秘めている。

 深夜アニメの放送本数が1クールで100作品を突破してから数年がたつが、放送の延期が続き、有力な制作会社も倒産するなど、「アニメを作る環境」は厳しさを増すばかりだ。原因の一つは「きれいな作画への過度のこだわり」だろう。

 近年のアニメ視聴者は、キャラクターの絵が崩れたり、整合性の合わない動きがあると「作画崩壊」と話題にする傾向がある。そのプレッシャーを制作サイドも意識して、絵柄が丁寧に統一された作品が増えた。だが、それが当たり前になった現在、きれいな作画は埋没しやすい。また、作画にこだわり過ぎると制作期間も延び、制作予算を圧迫する。「きれいな作画にするべき」という“常識”が、制作現場を追い詰めている。

 「けもフレ」も、最初は「作画の物差し」で測られかけた。舞台は、動物たちが人間のような姿に変化した「フレンズ」が暮らす「ジャパリパーク」。そこに迷い込んだ「カバンちゃん」が何の動物かを調べるために、フレンズのサーバルちゃんと共に旅をする。フルCGアニメだがモデリングは簡素、第1話では失望する声も少なくなかった。

 だが、話数を重ねるにつれ、評価は反転した。どんな動物であれ、「君は○○ができるフレンズなんだね!」と肯定される優しい世界。さらに「カバンちゃんが知恵で困ったフレンズたちを助ける」のパターンを通じて、地図や道具の使用、絵文字や土木建築、スポーツ……と人類の進歩を追っていく。作画のことは話題にならなくなり、物語の奥深さは口コミで広がり、主題歌も大ヒットした。

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最終更新:5/14(日) 11:00

まんたんウェブ