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人形芝居文化、冊子で解説 「とっとりの人形物語」発刊

産経新聞 5/13(土) 7:55配信

 鳥取県に伝わる人形芝居を紹介する冊子「とっとりの人形物語~村を愛する人形浄瑠璃と人形芝居」が発刊された。明治時代初め、県内には約30の人形芝居があったが、今は3座が残るだけ。鳥取の人形文化を改めて広め、伝承を図ろうとの思いが込められている。

 冊子はA4判18ページ。人形芝居の歴史・文化の伝承に取り組んでいる「生活文化研究会」(鳥取市、坂根政代代表)が、県の支援を受け発行した。鳥取の人形芝居は江戸時代、鳥取藩主・池田光仲の父、忠雄が淡路洲本藩主だったため、淡路と盛んに交流したことに源泉がある。毎年、因幡(鳥取県東部)を訪れた淡路の人形芝居の影響を受け、因幡の人形芝居が成立。幕末から明治初期にかけては、日本有数の人形芝居の盛んな土地だったという。

 しかし、映画やテレビの普及につれて座の閉鎖が相次ぎ、昭和50年代以降、「円通寺人形芝居-扇楽座」(鳥取市円通寺)、「新田人形浄瑠璃相生文楽」(智頭町)、「因幡文楽水口人形芝居」(八頭町)の3座だけが残る。

 冊子では、鳥取の人形芝居の歴史とともに、3座について紹介。鳥取城や城下町の整備工事にかり出された人たちが歌った労働歌「念力(がんりき)節」を取り入れた円通寺▽人間国宝らの指導を受け、技術向上に傾注する新田▽民芸的な衣装を守り伝える水口-など、各座の由来や特徴、出し物などを分かりやすく解説した。

 3座に共通するのは、賭博の流行などで荒れていた地域を、健全な娯楽で立て直そうとした際、基礎になったという点。同研究会では「人形芝居は、人が生きることを助けてきた」としている。

 冊子は1200部を作製。県内の小・中・高校、図書館、市町村教育委員会などに配布した。

最終更新:5/13(土) 7:55

産経新聞