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トヨタ、成長持続に危機感=米政権、回復に逆風-18年ぶり連続減益〔深層探訪〕

時事通信 5/13(土) 8:30配信

 トヨタ自動車が2018年3月期連結業績予想で、2年連続の減収減益を見込んだ。本業のもうけを示す営業利益は、円高が響いて前期比3割減となった17年3月期からさらに2割減る見通し。V字回復を図るどころか、18年ぶりの連続減益に沈む。「自国第一」を掲げるトランプ米政権が日本の自動車産業への圧力を強めることも想定され、トヨタの持続的成長は正念場を迎えた。

2年連続で減収減益へ=18年3月期予想、営業益2割減-トヨタ

 ◇等身大で連敗
 「今回の決算は等身大の実力。2期連続の減益はスポーツでいえば連敗だ」。10日の決算会見で豊田章男社長は厳しい言葉を重ね、トヨタが置かれた現状への強い危機感をあらわにした。

 18年3月期は為替の影響を除く実力ベースでも成長の限界が見え始める。傘下のダイハツ工業や日野自動車などを含むグループの世界販売台数見通しは1025万台と過去最高の前期と同水準。成長が続くアジアは販売が増えるが、日本は3.3%減、北米は0.6%減と先進国市場は軒並み低迷する見通しだ。

 ◇稼ぎ頭北米、急減速
 その中でも稼ぎ頭の北米は年明け以降、急速に販売が落ち、17年3月期は2.8%減と5年ぶりのマイナスとなった。販売のてこ入れで奨励金が膨らみ、北米事業の営業利益は34.6%の大幅減益。今期も販売の奨励金が収益の足を引っ張ることになる。

 北米に精通する永田理副社長は「過度な奨励金競争に陥らぬよう努める」と強調。スポーツ用多目的車(SUV)など人気車種の供給を拡大するなどして、立て直しを図る考えを示した。

 だが、トランプ米大統領の保護主義的な通商政策はトヨタの戦略を根底から崩しかねない。トランプ氏はトヨタを名指しで批判。これに対し、豊田社長が5年間で約1兆円を投資する方針を表明し、「騒動はひとまず収まった」(トヨタ幹部)。しかし、ロス米商務長官は対日貿易赤字の拡大は「耐えられない」と発言しており、2国間協議で日本車の輸出抑制などを迫る恐れもある。

 ◇次世代へ投資
 外部環境は厳しいが、「自動車産業は100年に1度の大変革期」(トヨタグループ幹部)という中、生き残りに向け、自動運転など次世代車の開発を加速する必要がある。トヨタは今期、収益悪化を見込みながらも、研究開発費は増額し、4年連続で1兆円を超える。

 豊田社長は「現状をボトムライン(最低線)に持続的成長へ歩みを進めたい」と、収益改善と先行投資の両立に全力を挙げる覚悟を示した。

最終更新:5/13(土) 12:35

時事通信