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<パラトライアスロン>五輪招致演説の谷真海、初挑戦V

毎日新聞 5/13(土) 11:33配信

 ◇世界シリーズ・横浜大会で「いいスタートを切れた」

 パラリンピックの陸上女子走り幅跳びで2012年ロンドン大会まで3大会連続で出場し、20年東京五輪・パラリンピックの招致演説も行った谷(旧姓佐藤)真海(まみ)(35)が13日、トライアスロンに本格転向後では初めて世界シリーズ・横浜大会に参戦し、運動機能障害PTS4のクラスで優勝を果たした。20年東京パラリンピック出場を目指す谷は「まだまだ改善の余地があるが、いいスタートを切れた」と意欲的だった。

 谷は早大でチアリーディングに打ち込んでいた01年に骨肉腫を発症し、右膝下を切断。その後、陸上に打ち込み、競技を始めて1年で04年アテネ・パラリンピックに出場した。13年の東京五輪・パラリンピックの招致成功に貢献してからは、転機が続いた。14年9月に結婚すると、15年4月に第1子を出産。陸上から離れている間に「長く続けられる競技をやりたい」と、トライアスロンへの転向が視野に入った。

 五輪などで健常者が行う距離の半分となるスイム(水泳)0・75キロ、バイク(自転車)20キロ、ラン5キロで展開されるパラトライアスロン。谷はランに自信があった分、冬場は自転車トレーニングに重きを置いた。距離の長い自転車を強化したことで持久力が向上し「ランにもスタミナがついてきた」と相乗効果も得た。

 この日のレースで同じ障害のクラスで参加したのは3人だったが、昨年のリオデジャネイロ・パラリンピックの代表も出場するなど、世界レベルの力を体感する貴重な機会。スイムを終え、自転車に乗り換える「トランジション」で手間取った。自転車用に義足を履き替えるのを忘れ、慌てて戻るなどのタイムロス。「素人感満載だった」と苦笑して振り返ったが、苦手のはずだった自転車で追い上げ、最後のランで勝負を決めた。「自転車をこいでいたら夫から『(先頭に)近づいている』という声を聞いた」と、家族も後押しした。

 トライアスロンの世界ではまだ新人だが「自分の存在を少しでも示せたかな」。13年の国際オリンピック委員会(IOC)総会での招致演説では「スポーツが人生で大切な価値を教えてくれた。20年の東京で、その価値を世界に広めたい」と語った。その大舞台には再び選手として活躍することを夢見る。「目的は東京で表彰台を上がること」ときっぱりと言い切った。【岩壁峻】

最終更新:5/13(土) 12:05

毎日新聞