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【ボクシング】井上尚弥21日V5戦はフルパワー厳禁

東スポWeb 5/13(土) 16:45配信

 WBO世界スーパーフライ級王者の井上尚弥(24=大橋)が好調すぎるがゆえの“落とし穴”を警戒している。リカルド・ロドリゲス(27=米国)とのV5戦(21日、東京・有明コロシアム)での圧勝劇を期待されているが、掲げたテーマは何と「フルパワー厳禁」。過去のトラウマと今後の大一番への思いが交錯する王者の真意とは――。

 12日に横浜市内のジムで練習を公開した井上は「絶好調です。好調すぎるぐらいです」と明るかった。今回は初めて試合1か月半前に走り込み合宿を敢行。さらに前日(11日)まではジムワーク以外に下半身を強化するメニューをこなしたことで、パンチ力が大幅に上がった。おかげで、父でトレーナーの真吾さんの右手首を「痛くてストレートのミット打ちが受けられない」状態にまで“破壊”したほどだ。

 暑すぎず、寒すぎず。ロードワークも練習も気持ちよくできるとあって「5月の試合はいつも絶好調なんです」。そうなると周囲の期待は当然ながら豪快なKO勝利。ところが井上は「フルパワーでパンチを打たないこと」とあくまで慎重だ。

 脳裏にあるのは「5月で相手がメキシコ人(正確にはメキシコ系米国人)って、いや~な感じなんですよね」というトラウマ。

 昨年の5月8日、デビッド・カルモナ(26=メキシコ)とのV2戦で「1ラウンドから調子が良すぎて、バカみたいに打ったら拳を痛めちゃったんですよね…」という苦い思い出がある。
 この影響もあって、結果は判定勝利。ライトフライ級と合わせた7度の世界戦で、唯一KOを逃した勝利として記録に残ってしまった。

 今回はそんな不完全燃焼の試合をするわけにはいかない。大橋秀行会長(52)は「9月には海外でやる計画がある」と話したが、浮かんでは消えたこれまでと違い、実現を前提に日程の調整などに入っているという。

 そんな状況で拳を痛めると、念願の米国進出計画は“お流れ”になってしまう。とはいえ本場のリングに上がるためには、キャリアで初となる米国人ボクサーを派手に倒して、米ボクシング界にインパクトを与えることも大事。絶好調時ほどケガをしやすいというのは、トップ選手にありがちな流れなだけに「フルパワーではなく、タイミングで倒せるように」というのは今の状況下では最善の策だ。

「挑戦者の気持ちでリングに上がりたい」という今回は、結果とインパクトの両方を追い求める。

最終更新:5/13(土) 16:45

東スポWeb