ここから本文です

新品種「夏秋イチゴ」活用 食育研究へ ハウスで通年栽培、雇用も創出 長野

産経新聞 5/13(土) 7:55配信

 給食受託サービスの「ミールケア」(長野市)は今夏から、信州大と連携し、同大が開発した新品種のイチゴを活用した食育の共同研究を始める。同社が昨夏、市内にオープンした食育の推進と農業体験ができる拠点「み~るんヴィレッジ」で、1年を通して実施する。冬の農閑期には、地域雇用の場としても活用したい考えだ。産学連携による食育研究の取り組みは県内でも珍しく、食育業界の先例となりそうだ。(三宅真太郎)

 ◆積雪期に課題

 国道18号は「アップルライン」の愛称で呼ばれ、沿道にはリンゴ畑が広がる。「み~るんヴィレッジ」はその一画に施設を構えており、昨年7月30日にオープンした。

 県内初の食育テーマパークで、レストランやカフェを併設するほか、農場では農作物の作付けや収穫といった農業体験ができるユニークなイベントも行っている。

 だが、11~3月は積雪期のため、畑が雪に覆われてしまい、体験イベントの実施もままならなかった。そこで、信州大農学部が開発し平成23年に品種登録されたイチゴに着目した。

 イチゴは本来、暑さに弱く、夏から秋にかけては収穫・出荷が難しい。だが、「夏秋(かしゅう)イチゴ」と命名されたこのイチゴは、通年で栽培できるという。

 このため、食育用の教材として活用することを決め、約580株を植え付け、年800キロの収穫計画を立てた。

 同大によると、契約者に配布した夏秋イチゴの苗は、栽培を認め始めた22年度は約1万2千株だったが、昨年は10万株を超えた。栽培地域は県内のほか、東北や関東、温暖な九州地方にも広がっているという。

 ◆親子で収穫体験

 共同研究を行う信州大学術研究院(農学系)の大井美知男特任教授は「実った果物を見たことのない子供も多い。品種について学びながら、収穫体験もしてほしい」と話す。

 ミールケアは、6月初旬からハウス1棟を建設し、7月に入ってから栽培を開始する。

 親子を対象にした食育イベントを開き、栽培や収穫を体験できるようにする。蜂を使った受粉の様子を見学したり、イチゴの品種改良や生育の特徴を学べる機会も設ける。

 地域に貢献するため、他の農産物が農閑期に入る冬季には、イチゴ栽培に携わってもらう従業員を臨時で雇う計画もある。

 丸山寛典常務取締役は「『み~るんヴィレッジ』は、地域の人やお客さんと作り上げていく施設です。食育の旗振り役として、これからも進化を続けていきたい」と意気込んでいる。

最終更新:5/13(土) 7:55

産経新聞