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<記録映画>「人情噺の福団治」芸人、父として素顔に迫る

毎日新聞 5/13(土) 13:15配信

 ◇桑名市出身監督、伊藤有紀さんが3年間、私生活に密着

 三重県桑名市出身の映画監督、伊藤有紀(ゆうき)さん(37)が約3年間にわたり、同県四日市市出身の落語家、四代目桂福団治さん(76)の私生活に密着した記録映画「人情噺(ばなし)の福団治」が、全国のミニシアターなどで順次公開されている。作品は芸人としての明るさ、弟子に対する厳しさ、長男との関係に苦悩する父親の顔を描く。

 福団治さんは三代目桂春団治さん(1930~2016年)一門の筆頭弟子。関西演芸協会会長で、上方落語協会理事。20代半ばから30代半ばにかけて、テレビやラジオで多数のレギュラー番組を持つ売れっ子だったが、声帯の病気で一時的に声を失った。以後は生の落語の高座を活動の中心に置いている。

 映画は71分。親子の情愛を描いた古典落語「藪(やぶ)入り」を口演するシーンと、長男で弟子でもある福若さん(48)との関係に苦慮するシーンが交錯する。福若さんは、憲法改正を訴える新作落語を口演するなど政治色を前面に出して活動している。特定の思想信条を落語家として強調することを福団治さんは疑問に思っている。

 「芸歴56年の重鎮なのに、大人になりきれていない部分を持つ。それが師匠の不思議な魅力」と伊藤監督。「格好いいところだけを撮りたくなかった。師匠の心の揺れや弱さを知ってもらい、その上で師匠の落語を改めて味わっていただければうれしい」と話す。

 東海地方では、名古屋市中村区椿町のシネマスコーレで6月24日~7月7日に初めて上映される。前売り1000円、当日券1700円。上映時間などの問い合わせはシネマスコーレ(052・452・6036)。【尾崎稔裕】

最終更新:5/13(土) 13:18

毎日新聞