ここから本文です

<切り花>なにわ発売り込め 大阪・鶴見の市場、輸出急増

毎日新聞 5/13(土) 17:46配信

 国際花と緑の博覧会(花博、1990年)の会場となった大阪・鶴見が、国産の切り花を輸出する日本有数の市場となっている。大阪鶴見花き地方卸売市場(大阪市鶴見区)を拠点とする卸売会社「なにわ花いちば」が切り花の輸出額を急増させ、生花に限ると全国シェアは約6割。今月末には輸出専用の集出荷施設の新設にも着手するなど、高品質の国産切り花を「なにわ発」で海外に売り込む。

 なにわ花いちばは全国各地から切り花を集荷し、同市場で開く競りなどで仲卸業者や花屋に販売、出荷する。切り花の輸出額は2012年の約5200万円が、16年には約1億7200万円と3倍増。農林水産省によると、16年の切り花輸出額は約7億2000万円だが、同社の試算では加工品を除くとシェアはトップという。

 同社は08年に切り花の輸出を始めた。不景気で切り花の販売価格が下がる一方、原油の高騰で生産コストが上がり、生産農家は苦境に立たされていた。

 「海外に攻め込むことで生産者に元気を出してもらえないか、と考えた」。同社の大西常裕専務(47)が振り返る。海外に飛んで卸売業者を一つ一つ訪ね、日本産切り花の写真を見せて回った。「ぜひ実際の花を見たい」と好反応で、輸出を決意したという。

 しかし、日本産は航空運賃が上乗せされるため割高。同社によると、米国では一番人気のスイートピーは現地価格の1.5倍、トルコギキョウは4~15倍の高値になることも。難色を示した現地の業者も多かったが、生産者の努力による日持ちの良さや、つぼみのまま出荷した切り花が確実に咲く品質の高さが評価され、取扱高は徐々に増えた。

 現在の輸出先は米国、中国、カナダ。米国の場合、成田空港から空輸でニューヨークやロサンゼルスなど4都市を経由し、全米の卸売業者に届く。日本時間で出荷2日後の夜には業者の店頭に並び、消費者に届くため、日本国内の流通と大差はないという。

 今月末から農水省の補助を受け、新たな輸出専用の集出荷施設(延べ床面積約1700平方メートル)を整備。トラックの荷台から外気に触れずに倉庫に運べる入出荷口、低温で選別作業ができるパッキングセンター、品目ごとに温度管理ができる保管庫などを計画。年末に稼働する見通しだ。

 大西専務は「生産地と連携して輸出用切り花の生産を増やし、21年度には輸出額を5億5000万円まで伸ばしたい。輸出することで、日本の消費者に国産切り花の品質の高さを知ってもらうきっかけになれば」と意気込む。【念佛明奈】

最終更新:5/13(土) 20:27

毎日新聞