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<NATO>前事務総長トランプ氏評価…予測不能が抑止力に

毎日新聞 5/13(土) 21:16配信

 【ブリュッセル八田浩輔】北大西洋条約機構(NATO)のラスムセン前事務総長が毎日新聞のインタビューに応じ、NATO加盟国(28カ国)が2024年までに国防費を国内総生産(GDP)の2%に引き上げる共通目標は「達成可能」と述べた。また、トランプ米政権による先月のシリア軍基地へのミサイル攻撃を評価した上で、北朝鮮を含む国際社会の「脅威」に対して「トランプ政権の予測不可能性が抑止力になる」との見方を示した。

 今月25日のNATO首脳会議にはトランプ氏が初めて参加。ラスムセン氏は、トランプ氏が加盟国に2%目標を満たすよう強く求める一方、NATOの重要性を再確認する場になるとの見通しを示した。

 ラスムセン氏は、事務総長だった14年のNATO首脳会議で決めた2%目標は「義務ではない」とした上で、冷戦後の国防費削減傾向を転換させる目的があると強調。現在、目標達成国は米英など5カ国のみだが、「(未達成の)ドイツは既に国防費を引き上げ、今後数年かけて大幅に増額する」と期待感を示した。

 また、トランプ氏が選挙中にNATOを「時代遅れ」と批判していたことに「強い懸念を持っていた」と明かしたが、マティス国防長官ら安全保障にかかわる重要ポストの人事を評価し、「(マティス氏らが)NATOは米国にとって非常に有益だとトランプ氏を説得した」と指摘した。

 一方、トランプ政権は現在も駐NATO大使を任命しておらず、「米国の施策方針に(加盟国の)疑念を持たせる」として早期の懸念払拭(ふっしょく)に努めるよう求めた。また、加盟国の貢献の評価は金銭面だけでなく、軍事作戦への参加など「全体をみるべきだ」とした。

 シリア情勢を巡っては、アサド政権が化学兵器を使用したとして、米軍が行ったミサイル攻撃は「正しい時期の正しい行動だった」と賛同。アサド政権に「レッドライン(越えてはならない一線)」を示すと同時に、「(核・ミサイル開発を強行する)北朝鮮にも国際法に従うべきだとの明確なシグナルを送ることになった」と述べた。

 ラスムセン氏はデンマーク首相を務めた後、09~14年にNATO事務総長。

最終更新:5/13(土) 23:29

毎日新聞