ここから本文です

米通商代表にライトハイザー氏 日本、難敵を警戒 米中は具体的成果

産経新聞 5/13(土) 7:55配信

 ライトハイザー氏の議会承認により、通商政策をめぐるトランプ政権の体制は対日強硬路線の色合いが濃くなった。米中の2国間協議が早くも具体的成果を出したことで、米国と対中牽制(けんせい)で協調しようとした日本の思惑も機先を制された形だ。米通商政策の矛先が中国よりも日本に向かう懸念は強まり、今後の日米経済対話も苦戦が必至だ。

 「米国は日本にとって、最大の農産物の輸入(相手)国だ。貿易政策の方向性を注視していきたい」

 山本有二農林水産相は12日、記者会見で米国の攻勢に警戒感をにじませた。

 ライトハイザー氏は日本に対し、関税や非関税障壁の見直しを迫る構え。コメや牛・豚肉など日本の重要農産品5分野でも環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)以上の市場開放を求める恐れがある。

 ロス米商務長官も4日、対日貿易赤字が3月に急増したことで「これ以上耐えられない」とする声明を発表した。日本の自動車貿易もやり玉に挙がりそうだ。

 日本は米国以外のTPP参加11カ国で協定を早期発効させ、「TPP以上は譲らない」と予防線を張りたい考えだ。また、日米経済対話を通じてアジア太平洋地域の貿易秩序を日米で主導する必要性を訴える方針。そこには、米国にTPPへの復帰を促し、中国の覇権主義的な動きを食い止める狙いがある。

 ただ、日本の思惑とは裏腹に、中国が一定の市場開放に応じ始めたことで、多国間交渉より2国間協議の方が有利だというトランプ氏の主張が裏付けられた形だ。米政権内ではバノン首席戦略官兼上級顧問ら対中強硬派の発言力低下が指摘され、公約に掲げた中国の為替操作国認定を見送るなど米中の歩み寄りが目立っている。

 菅義偉官房長官は12日の会見で「安全保障と経済は日米同盟の両輪」と指摘し、ライトハイザー氏との協議で協力関係を深めたい考えを強調した。米側は来年の中間選挙を見据え通商分野で明確な成果を出したいだけに、日本も中国のように「米国の矛先をかわすお土産」(通商筋)の用意を迫られる恐れがある。(田辺裕晶)

最終更新:5/13(土) 8:10

産経新聞