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G7 トランプリスク、協調岐路に

産経新聞 5/13(土) 7:55配信

 12日開幕したG7財務相・中央銀行総裁会議は、世界経済のリスクである格差の是正に向け、連携を打ち出す見通しだ。だが、トランプ米政権の保護主義的な政策をめぐり、G7の中からは不協和音も聞こえる。米国の中国への急接近も協調に影を落としている。

 「自由貿易の否定や保護主義で格差が縮んでいくことにはならないというのが、多くの人のコンセンサスではないか」

 日銀の黒田東彦総裁は会議を前にこう強調した。

 3月の20カ国・地域(G20)財務相・中銀総裁会議は貿易問題をめぐり、米国が「保護主義に対抗」との文言を共同声明から削除するよう求め、各国と対立した。今回の会合は貿易が議題にならず、紛糾する事態は避けられた格好だ。

 だが、水面下では対立も見え隠れする。

 北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を掲げるトランプ政権はカナダからの木材への制裁関税を仮決定。カナダが対抗措置を検討するなど関係は悪化している。今回の会合でも、カナダのモルノー財務相とムニューシン米財務長官が会談、貿易問題を協議するもようだ。

 会合では、為替をめぐる激しいやり取りはない見込みだが、米国は日本やドイツに対する貿易赤字を問題視。今後、輸出に有利になる円安やユーロ安に批判を強める懸念はくすぶる。

 国際金融筋は「世界経済は持ち直しているが、トランプリスクは依然として残る」と指摘する。内政でも連邦捜査局(FBI)長官の解任などが政治混乱につながる恐れが出ている。

 これまでG7は中国の過剰生産問題などでは一致して対応を求めてきた。ただ、トランプ政権が中国との2国間交渉で利益があれば柔軟姿勢を取る“取引外交”を強める中、G7の協調は岐路に立っている。(バリ 田村龍彦)

最終更新:5/13(土) 7:55

産経新聞