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あすから「一帯一路」サミット “親中”二階氏、友好機運探る

産経新聞 5/13(土) 7:55配信

 ■構想協力求めた唐家●氏へ返答避ける

 【北京=石鍋圭】中国が国家プロジェクトとして推進している現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」国際協力サミットフォーラムが14、15両日に北京で開催され、日本から出席する自民党の二階俊博幹事長が12日、訪中した。習近平国家主席と16日に会談する方向で調整している。政府は同構想に距離を置く一方、緊迫する北朝鮮情勢で中国と連携を強化したい考えで、中国も好意的な「親中派」の二階氏を日本代表団長として送った。

 二階氏は12日夜、中日友好協会会長の唐家●・元中国国務委員と会談した。「重みのある代表団を率いてくれて感謝している」と歓待した唐氏は「一帯一路の推進に日中で協力したい」とも求めた。

 二階氏は直接の返答を避け、大阪府が誘致を目指す2025(平成37)年の国際博覧会(万博)について「支持していただきたい」と要請。唐氏は「政府に伝えたい」と応じた。

 一帯一路構想には、中国主導の経済圏を築き、その影響力を安全保障に及ぼす意図がある。サミットにはアジア各国の首脳らが出席するが、日本は安倍晋三首相はおろか、中国が打診した世耕弘成経済産業相の出席も見送り、松村祥史経産副大臣の参加にとどめた。

 そこで中国が日本のトップとして招待したのが二階氏だった。共産党一党支配の中国は党組織を重視しており、自民党ナンバー2の二階氏に「副首相級」の待遇を用意。中国共産党総書記でもある習氏との会談にも前向きで、日中外交筋は「二階氏への厚い信頼の表れだろう」と説明する。

 政府としても北朝鮮情勢で鍵を握る中国との対立は避けたいのが本音だ。年内には日本での日中韓首脳会議も予定している。訪中には今井尚哉首相秘書官も参加させた。首相以外の外遊に秘書官が同行するのは異例で、対中関係強化の環境整備を図る考えのようだ。

 今井氏の同行は、二階氏の“目付役”との観測もある。二階氏の対中外交は独特だ。過去に5千人の訪中団を率い、中国首脳を驚かせたこともあった。

 中国との蜜月はリスクも伴う。親中派を通じ対日政策を有利に進めようとするのは常套(じょうとう)手段で、「媚中派」と言われるようになった日本の政治家は少なくない。

 二階氏の対中姿勢は実利主義の色合いが強いが、4月には香港のテレビ局の取材で、一帯一路構想を支える中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)への日本参加について「可能性もある」と語った。政府の方針とは異なる「不用意な発信」(官邸筋)だった。

 中国とは東・南シナ海への海洋進出など、重い課題が横たわる。二階氏は国益を守りながら日中友好の機運を高めるという難題に挑まなければならない。

●=王へんに旋

最終更新:5/13(土) 7:55

産経新聞