ここから本文です

「多角体」でタンパク質保存 京都工繊大と英の大学 再生医療など応用へ

産経新聞 5/13(土) 14:22配信

 カイコなど昆虫に感染するウイルスが作り出す「多角体」と呼ばれるタンパク質の微結晶を利用し、人間の病気を治す治療薬や再生医療技術などの開発を始めたと、京都工芸繊維大の森肇副学長(ウイルス学)の研究チームが発表した。この技術を活用し、英ケンブリッジ大などと共同で、エボラウイルスやデング熱、ノロウイルスなどに効くワクチンの開発に着手。2~3年後をめどに治療薬の実用化を目指す。

 チームによると、昆虫に感染するウイルスが作り出す多角体は、昆虫の体内でウイルス自身を保護する機能がある。京都工繊大は、この多角体にウイルスではなく、熱や乾燥に弱いタンパク質を内包させて保護する技術を開発。この技術提供を受けた英国のバイオベンチャー「セル・ガイダンス・システムズ」が、組織の再生を促すタンパク質などを内包した約20種類の多角体を作製した。

 再生医療にはタンパク質を長期間働かせることが必要で、一連の技術には冷凍・冷蔵設備がなくても多角体がタンパク質を長時間保存できるメリットがある。同大はケンブリッジ大と共同で、骨を再生する再生医療技術や、人間の病気を治すワクチンの開発に着手。伊ジェノバ大とはパーキンソン病治療に関連する共同研究を始めたという。

 森副学長は「多角体の仕組みを応用した治療薬が実用化できれば世界初。途上国を中心に病気の治療に役立てれば」と話した。

最終更新:5/13(土) 15:28

産経新聞