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再生医療、ものづくり融合 細胞培養・保存 関西の中小、異業種も参入

産経新聞 5/13(土) 14:54配信

 関西でものづくりに取り組むベンチャーや中小企業で、再生医療分野に参入する動きが相次いでいる。人工多能性幹細胞(iPS細胞)などを扱う際に高い精度を持つ機器が必要で、各社とも独自の技術が生かせると自負。政府は成長産業になると見込んで新規参入を後押しし、異業種から挑戦する企業もでてきた。(安田奈緒美)

 「安全性と正確さが求められる医療現場でのものづくりの経験を生かしたい」と話すのは、マイクロニクス(京都府久御山町)の八木良樹社長。臨床検査機器を手掛ける同社は、ロート製薬と共同で全自動の細胞培養装置を開発した。再生医療関連製品の均一化や大量生産を可能にする装置だという。

 研究用の光学機器を製造するジェイテックコーポレーション(大阪府茨木市)も平成5年の創業以来、細胞培養装置の開発を続けている。現在はX線集光ミラーが主力で、世界の研究施設に納入実績があるが、津村尚史社長は「今後は飛躍的な需要拡大が期待される再生医療分野にも経営資源を投入したい」と話す。

 経済産業省は細胞培養、保存、運輸など周辺産業の国内市場規模について、平成42(2030)年に5500億円規模まで伸びると予想。近畿経済産業局は、企業に再生医療分野への参入を促し、企業間連携も深めてもらおうと「関西再生医療産業コンソーシアム」を27年に設立した。現在、約160社が登録し、異業種の企業も名を連ねる。

 例えば、産業用凍結機の菱豊フリーズシステムズ(奈良市)は、食品の細胞の破壊を抑えて凍結させる技術が、培養した細胞の保存に応用できると見込んでいる。ポンプメーカーのアクアテック(大阪府大東市)は、超小型化したポンプの送液技術を再生医療分野にいかそうと取り組む。設備機器を手掛けるテック・ワーク(京都府長岡京市)は、精密な板金加工技術で細胞培養の現場に適した器具開発を行う。

 近畿経産局バイオ・医療機器技術振興課の足立光晴課長は「関西にはユニークなものづくり企業が多く、技術が生かされる余地は大いにある」と話している。

最終更新:5/13(土) 15:20

産経新聞