ここから本文です

稀勢の里、双葉山以来80年ぶり初優勝からの3連覇へ冷静「やることをしっかりやる」

スポーツ報知 5/14(日) 6:04配信

 大相撲夏場所は14日、東京・両国国技館で初日を迎える。横綱・稀勢の里(30)=田子ノ浦=は恒例の土俵祭りの後、優勝額贈呈式に出席。今年の初場所、春場所と連覇して1度に2枚の額を受け取った。人気はうなぎ登りで、姿を見て手を合わせるファンが現れ、歓声は「稀勢様!」に格上げ?された。1937年に「角聖」双葉山が達成して以来80年ぶりとなる初Vからの3連覇が懸かる場所。神ってる稀勢の里が“神の領域”に挑む。

 天井知らずの人気が、稀勢の里を神の域に押し上げた。土俵祭りを終え、国技館のエントランスに通じる扉を開いた。崇拝するような視線でファンが待ちかまえていた。感極まって手を合わせる高齢のファンもいた。声援に応え、正面玄関で2枚の優勝額を背に両手を広げると「稀勢様ぁ」「もう1回優勝してぇ」とかけ声が飛んだ。

 もはや神格化された横綱は、夏場所で神様の記録に挑む。双葉山は1936年夏場所の初優勝から3場所連続で賜杯を抱いた。勢いに乗って5連覇し、39年初場所まで続く不滅の大記録「69連勝」を達成した。横綱・白鵬(宮城野)を始め、多くの力士が憧れる偉業。挑戦を前にしても、稀勢の里は「今硬くなっても、熱くなっても、何の意味もない」と冷静だった。

 実際、横綱が締める綱は神の依り代(よりしろ)とされ、締めることで横綱は角界で「神に近い存在」とされる。父・貞彦さん(71)は初場所後の横綱昇進時に「相撲を好きで取るのは大関まで。これからは相撲協会の代表、ひいては日本国民の代表としてやらないといけない」と語り、いわば「息子を超えた存在」になったと認めた。悲願の初優勝、左上腕などの負傷を抱えながらの奇跡的Vなど、神懸かり的な活躍を演じてきたが、周囲の期待も天井知らずだ。

 負傷の回復具合が気にかかるが、八角理事長(元横綱・北勝海)は「けがをしたのが足なら、衰えたり力が入らない不安があるが、鍛えられる。横綱はけがを言い訳にできない」とあえて厳しい言葉で激励した。

 稀勢の里は朝、国技館入りする前に部屋で本場所用の締め込みを着けて汗を流した。「やることをしっかりやる。自分は自分でやるだけですね」。無心で臨んだ先に相撲の神様が待っている。(網野 大一郎)

最終更新:5/14(日) 6:04

スポーツ報知