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人気の食事処月内再開 「いふ」店主の新妻泰さん

福島民報 5/13(土) 12:26配信

 東京電力福島第一原発事故に伴う一部避難指示が解除された福島県浪江町川添で営業していた「食事処 いふ」は今月、町内の同店舗で再開する。併設していた民宿も同時オープンする。請戸漁港に水揚げされた新鮮な魚介類を提供していた人気店。東日本大震災前から町内にあった飲食店のうち“古里”で再開している店はなく、町民も復活を待ち望んでいた。店主の新妻泰さん(58)は「ここに来れば知り合いに会える。そんな店にしたい」と新たな出発に胸を躍らせる。

 開店を間近に控えた12日、新妻さんは改装が進む店内をいとおしそうに見つめた。「ようやくここまで来た」。再開の話を聞きつけ、既に問い合わせの電話も多く入って来ている。脳裏にはなじみの顔でにぎわう店内の情景が浮かぶ。
 新妻さんの自宅は沿岸部に近い浪江町両竹地区にあった。震災の津波で自宅は津波で流された。追い打ちをかけるように原発事故が発生。新妻さんは県内外での避難生活を余儀なくされた。古里を奪われ、沈む気持ちを支えたのが「いふ」の存在だった。店舗は自宅と離れた内陸部にあったため、津波の難を逃れた。「必ず店を再開させる」。決意を胸に6年以上に及ぶ避難生活を乗り切ってきた。
 浪江での再起を後押ししたのが長男泰朋さん(30)だった。勤務していた東京の飲食店を辞め、父と共に歩むことを決めた。泰朋さんは泰さんが東京に勤務していた時代に生まれ、東京で育った。「育ったのは東京だが、自分の古里は浪江だと思っている。家族や地元の皆さんと一緒に復興に貢献したい」と思いを語る。
 営業時間は午後3時から同11時まで。不定休で当面は予約が必要。予約や開店日などの問い合わせは同店 電話0240(34)1650へ。

福島民報社

最終更新:5/13(土) 12:44

福島民報