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「銀座熊本館」 被災地支援で売り上げ過去最高

産経新聞 5/13(土) 9:54配信

 熊本地震から1年。東京都中央区の銀座熊本館は昨年度、過去最高の6億円超を売り上げた。平成6年開業。老舗アンテナショップの歴史を塗り替える快挙である。

 「遠い被災地を、東京から買い物で応援したいという熱意に支えられた。お客さんの姿には『何か買わなくては』という切迫感すら漂い、普段は重くて売れない一升瓶とか、とにかく何でも売れました」。運営する熊本県東京事務所の木村元洋さん(36)が激動の日々を振り返った。

 昨年の4月14日午後9時26分に震度7の大地震が発生。翌15日、銀座熊本館は臨時休業をして生産者に被害状況を確認。「何とか大丈夫です」との声に通常営業を決めた矢先の16日午前1時25分、本震に襲われ万事休す。商品の入荷が途絶えた。それでも店を開けて在庫を販売すると、24日には全商品が売り切れた。

 しかし、転んでもただでは起きない「肥後もっこす」(反骨精神に富んだ県民性を表す)の面目躍如。生産・流通が復旧した商品で直ちに棚を埋め、かき入れ時のゴールデンウィーク中、通常の3倍超の1日3~4千人を集客する大盛況に導いた。「大地震で熊本県産品の知名度は格段に上がりました」と木村さん。リピーターも定着した。

 売り場に並ぶ約1千アイテムの大半が食関係。旬を迎えたスイカの玉が市場のようにわくわくさせる。「これいつも買ってるの」。「徳用ちりめん」(648円)を手にする年配主婦につられて、私も買い物かごに入れる。パスタやおひたしにたっぷり使える量がうれしい。

 左党には球磨焼酎。清流球磨川沿いの米所で醸される、全28蔵の米焼酎がそろう。肴も個性的だ。「山うにとうふ」(648円)は「うにを想わせる食感と風味」の800年の伝統を受け継ぐ濃厚な豆腐の味噌漬け。馬肉ソフト燻製スライス(864円)は140グラム入りで食べ応えがあり、クセのない味はサンドイッチの具にもいけそう。

 甘党なら常に人気1位の「いきなり団子」(108円~)を。サツマイモのホクホク感が素朴でヘルシー。また、被災して3カ月も販売が止まった銘菓「陣太鼓」(162円)の金の箱は復興の象徴である。

 店の一角には、熊本城修復募金「復興城主」募集のチラシが置いてあった。「かなりの部分で観光客の受け入れ態勢は復旧している。ぜひ熊本に足を運んで、立ち上がる姿を目に焼き付けてほしい」。県民の思いを代弁するように、木村さんは呼びかけた。

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【記者の気になる品トップ5】

(1)東肥「赤酒」 805円

(2)いきなり団子3種 389円

(3)チーズ入り燻製蒲鉾 350円

(4)南関あげ 151円

(5)からしれんこん 890円

 1位は熊本独特の料理酒。甘いのでみりん・砂糖の代わりにお薦め。照りよく仕上がるとプロの評価も高い。地元ではお屠蘇にも飲まれる。馬肉燻製をつまみに。(重松明子)

【ガイド】

 東京都中央区銀座5の3の16。JR「有楽町」徒歩5分、東京メトロ「銀座」B9、C2徒歩2分。(電)03・3572・1147。午前11時~午後8時。月曜定休(祝日の場合は翌日)。飲食店併設。

最終更新:5/13(土) 9:54

産経新聞