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世界100カ国でサイバー攻撃 5万件超 英国病院で大規模被害、日本も

産経新聞 5/13(土) 10:06配信

 【ロンドン=岡部伸】英国各地の国営病院で12日、国営医療制度、国民保健サービス(NHS)関連施設のITシステムに大規模なサイバー攻撃があり、多数の病院で障害が発生、手術などの医療サービスが中断するなどの被害が続出。ロイター通信は、同様のサイバー攻撃がロシアを中心に欧州やアジアなど約100カ国で起き、攻撃件数は5万7千件に上ると伝えた。悪性のソフトウエアを用いた攻撃とみられ、被害はさらに拡大する見通し。

 英国ではイングランドとスコットランドなどで医療機関のIT(情報技術)システムが停止。一部の病院では手術を中止したり、診察予約をキャンセルしたりするなど医療サービス提供が困難となり、救急患者は別の病院に搬送された。イングランドでは「重大事故」が宣言され、英政府のサイバー犯罪対策を担う「サイバーセキュリティーセンター」が調査を進めている。

 メイ首相は、「NHSを標的としたものではない。世界規模のサイバー攻撃だ」と述べた。一方、患者のデータが不正アクセスされた証拠はないと強調した。

 またスペインでも、通信最大手テレフォニカの社内システムが攻撃を受けた。顧客への通信サービスの提供には影響は出ていないという。

 ロイター通信によると、攻撃は、コンピューターをロックし、解除する代わりに仮想通貨「ビットコイン」で300ドル(約3万4千円)から600ドル(約6万8千円)を支払うよう求める表示が出ており、「ランサムウエア」(身代金要求型ウイルス)とみられる。英BBC放送は、4月に米国家安全保障局(NSA)が開発したとみられる悪性ソフトを公開したハッカー集団「シャドー・ブローカーズ」が関与しているとの見方を報じた。

 同通信によると、サイバー攻撃は、ロシアのサイバー・セキュリティーのソフトウエア会社の「カスペルスキ ラブ」が74カ国、で4万5千件と指摘。また別のソフトウエア会社「アバスト」は被害は99カ国に広がり、主要な攻撃目標はロシア、ウクライナ、台湾だとしている。

 また米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は欧州や日本のほかロシアやトルコ、ベトナム、フィリピン、中国、米国、イタリア74カ国で起き、被害は4万5千件に上ると報じた。

最終更新:5/13(土) 10:06

産経新聞