ここから本文です

美術館の壁でボルダリング? 長野・小布施に出現したスポーツのオアシス

産経新聞 5/13(土) 11:22配信

 長野県北部の「栗と北斎と花のまち」小布施(おぶせ)町に、閉館した美術館を改装したレジャー施設「小布施オープンオアシス」がある。上信越道小布施パーキングエリアと一般道の両方から利用できる道の駅「小布施ハイウェイオアシス」に隣接し、近年注目のスポーツ「ボルダリング」が楽しめる県内随一のスポットだ。周囲には子供向けアスレチックなどがある小布施総合公園が広がり、家族で休日を過ごしたり、観光ついでに立ち寄ったりするにはもってこいの“オアシス”だ。

 ■達成感と高所クラクラ…

 勾配のついた人工壁に取り付けられた「ホールド」。その色とりどりの石に手と足を掛け、一つ一つ上がっていく。高さ約3メートルのゴールにたどり着くと、達成感を味わえると同時に想像以上の高度感に足がすくむ。

 友人を連れて訪れた高山村の高校1年、青木真樹人さん(15)は「頭を使うスポーツで一度はまるとやめられない。壁を登るのに全身を使うのでいい運動にもなる」と語った。

 「スポーツクライミング」が2020(平成32)年の東京五輪の追加種目として採用され、その一種であるボルダリングは近年、若い世代を中心に人気を集めている。ロープやハーネスを装着せず、飛び降りることが可能な程度の低い岩壁や人工の壁をよじ登るスポーツだ。

 レベルごとに決まった石しかつかむことができず、次の石に手を伸ばすために登り方や手や足の置き方を工夫しなければならない。手と足で登るシンプルなスポーツでありながら、頭を使って攻略する楽しみも沸く。

 オープンオアシスの人工壁には初級から上級者までの6レベルがあり、登り方は40種類を超える。ホールドは年1回、位置が変えられるため、一度攻略しても訪れるたびに新鮮さが味わえる。金曜日にはインストラクターによる教室もある。

 ■赤字施設が生まれ変わる

 施設の前身は平成8年に開館した千曲川ハイウェイミュージアムだった。入場者がふるわず年間1500万円の赤字となったため、小布施町が新たな活用方法を公募した。25年に地元酒造会社「松葉屋本店」社長の市川博之さん(47)が、若者に人気のあるボルダリング施設への改装を提案し、26年7月に開館した。今では年間1万人超が足を運ぶ一大スポットとなった。訪れる人は老若男女さまざまだ。

 ボルダリング施設はオープンオアシスの2階にある。1階のスタジオでは、バレエやヨガ、フラダンスの教室などを開催しており、屋外には競技用自転車で起伏があるコースを走る「パンプトラック」が体験できる。小布施町で盛り上がる綱渡りとトランポリンを組み合わせた競技「スラッグライン」もある。

 また、小布施総合公園にはドッグランや、テニスコート、マレットゴルフ場があり、ジャングルジムや、ターザンロープ、ローラー滑り台などの遊具があふれる広場には、休日になると子供たちの声がこだまする。

 「スポーツを通して人と人とのつながりができる場所にしたい。家族3世代で充実した一日を過ごしていただけると思う」

 市川さんはそう言って、さらなる躍進を誓った。(長野支局 三宅真太郎)

 アクセス 長野県小布施町大島609の2。車の場合は上信越道小布施PAから直結。電車の場合は長野電鉄小布施駅からタクシーまたはバスで約3分。ボルダリングの利用料は30分500円。レンタル料はシューズが300円、チョークが100円など。問い合わせは同施設(電)026・247・6600。

最終更新:5/13(土) 11:22

産経新聞