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「しらたきが肉を硬くする」は冤罪だ 群馬のこんにゃくを世界に

産経新聞 5/14(日) 14:00配信

 群馬が国内で圧倒的存在感を示す「こんにゃく」。原料のコンニャクイモは収穫量5万6500トン(平成27年)、全国シェアは92%に上る。

 多くが水分で、カロリーが極めて低いこんにゃくは、近年は欧米でもダイエット食品として人気があり、効果に注目が集まっている。

 群馬産こんにゃくを「世界に売り込め」と力を入れるのは、群馬県農政部ぐんまブランド推進課。同課によると、27年に大沢正明知事が渡欧し、上州牛など県産農産物をPRをした際にも現地関係者に、こんにゃくのメリットを訴えた。「ヨーロッパで、しらたきをパスタ代わりやサラダにして食べるなど、認知は進んでいる。県内からも欧州連合(EU)向けにしらたきなどを輸出しており、今後伸びる可能性がある。ヨーロッパで売られるこんにゃく、しらたきには日本産以外に安価な中国、韓国産が多い。それだけに、『こんにゃくといえば群馬だ』と品質をアピールしている」という。

 「群馬県産しらたき」と日本語パッケージのまま、海外50~60カ国に年約300トンを輸出する下仁田町の小金沢下仁田蒟蒻(こんにゃく)。小金沢定夫社長(62)は、「海外でしらたき1袋が360円ほどで売られている。それでも安価な中国産には負けない味、おいしさには自信がある。間違いなく需要は増える」と強気だ。

 同社のこんにゃく、しらたきは国内向けには小売りはしない。「総菜向けとしてプロにうちの商品が『高くてもおいしい』と選ばれている。安さが求められる量販店では売らず、価格よりも品質をモットーにやっている」という。

 コンニャクイモを原料となる粉にする原料問屋から、平成元年に製造にかじを切った。「海外輸出も、船便で送る際に赤道直下の高熱に耐えられるようなパッケージにしたり、品質を向上させた」。サラダとして開けたらすぐに食べられる味付きしらたきを開発中で、「本社工場を増築し、数年内にはオランダにも工場進出したい」と戦略を練る。現在は約2億円の年売上高だが、それを増やし、目指すは世界一、だ。

(前橋支局次長 谷内誠)

 【メモ】「日本こんにゃく協会」(東京都千代田区)は2月、「『しらたき(糸こんにゃく)がすき焼きの肉を硬くする』は誤解だった」との文書を発表。専門機関の分析試験で肉質と過熱時間で肉の硬さは変わったが、しらたきの影響はなかったという。しらたき製造に使うカルシウム分は肉を硬くするが、水洗いして使えば問題がないと結論づけている。しらたきに替わりくずきりが一時ブームになったが、くずきりよりずっと低カロリーのしらたきに罪はなかった。

最終更新:5/14(日) 14:00

産経新聞