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高橋一生「芝の上に居る」ように芝居 ストイックな話題の俳優 実は料理が得意の自炊派

産経新聞 5/14(日) 16:30配信

■「おんな城主 直虎」 NHK総合 日曜午後8時

 今作で演じる小野政次(まさつぐ)は、複雑なキャラクターだ。主人公の井伊直虎(柴咲コウ)を支える筆頭家老でありながら、何を考えているのかが分からない。今川家の目付という職務もあり、直虎の目線からは“獅子身中の虫”と映ることも多かった。

 そのイメージが変わったのが5月7日の放送回。直虎が「誰よりも井伊を守る策を考えてきた」と語る政次の“真意”が明らかになった。「僕は裏切ってなかったんです!」。冗談めかした口調でそう語る。

 まだ幼い井伊家の嫡男、虎松(後の井伊直政)の後見役をめぐり、直虎と対立してきた政次。だが、その根底には、幼なじみの直虎への深い思いが込められている。「公と私、表と裏。さまざまな顔を使い分ける政次という人間に寄り添った芝居をしたいですし、政次には『よしよし』ってしてあげたいですね」

 物語が進むにつれ、井伊家で孤立した父、政直(吹越満)と似てきた政次。表情や話し方にはじまり、頬のこけ方までそっくりなことに驚く。「それは意図的にやっています。撮影時は4、5キロ体重を落としました」とさらり。

 一見、多様な役柄を違和感なく演じるように映るが、本人は全くそう思っていないという。「僕は器用じゃないんですよ。『何でもこなせますね』といわれる度に、小さく傷ついているんです」と苦笑いする。

 「でも(視聴者に)高橋一生と小野政次の姿を重ねてもらえるのは、役者として成功と言えますよね」

 理想の芝居について、「芝居は漢字で『芝の上に居る』と書くように、僕の理想の芝居は何もしないこと」と語る。演技に対しストイックに臨む姿勢と、論理的な話しぶりは「仕事人」という言葉がぴったり。その一方、最近は女性ファッション誌のグラビアへの登場を果たすなど、女性人気が高まっている。

 「ありがたいことですが、そういう実感はないんですよ。ただ、最近八百屋で買い物をしていたとき、女性から『見てます』と声を掛けられましたし、八百屋さんからはリンゴをもらいました。正直、悪い気はしないというか、うれしいですよね」

 プロ意識の高さと、独特の愛嬌(あいきょう)。このギャップが多くの女性視聴者の関心を引きつけるのだろう。(文化部 本間英士)

 <たかはし・いっせい>昭和55年生まれ。東京都出身。子役を経て多くの舞台や映像作品に出演し、近年はドラマ「軍師官兵衛」や「民王」、「カルテット」、映画「シン・ゴジラ」、「3月のライオン」などに出演。役者として大切にしていることは、「風邪をひかないこと。実際、15年くらいひいていないです」。料理が得意で、夕食は自炊派。

最終更新:5/14(日) 16:30

産経新聞