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スカパー、米カイメタの液晶パネル 平面アンテナを採用-緊急車両向け衛星通信に

5/13(土) 13:38配信

日刊工業新聞電子版

可動部なしで衛星追尾、価格100分の1以下

 スカパーJSATは2018年をめどに、消防車や救急車など緊急車両向けに平面アンテナを活用した衛星通信サービスの提供を始める。車体の上部表面などに平面アンテナを設置した車両で、地上の通信網が停止した被災地などでも車内から通信できる。救助活動の現場と自治体の対策本部などとの連絡手段を提供し、迅速な救助を支援する。利用料は未定。

 新サービスはベンチャーの米カイメタが開発した直径20センチメートル程度の平面アンテナを活用する。アンテナは液晶パネルになっており、電波の方向をソフトウエアによって制御する技術を搭載している。

 スカパーJSATによると「(カイメタの平面アンテナは)量産できるため、価格は従来の平面アンテナに比べて100分の1以下の数十万円程度に抑えられる。需要が拡大すれば、さらに安くなる」という。この平面アンテナや変復調装置(モデム)などの機材に、スカパーJSATの通信衛星を用いた通信サービスを組み合わせて提供する。

 衛星通信は地上の通信網が停止した被災地や地上の通信網が整備されていない山間部などでも通信できる。緊急車両はこうした場所で活動するため、衛星通信の需要が見込めると判断した。平面アンテナは常時、車両に設置できる。従来のパラボラアンテナのように現場で設定する手間が省けるほか、走行中も通信できるため迅速な救助活動に貢献する。

 今夏には官公庁の関係者などを集め、平面アンテナを設置した車両が公道を走りながら衛星通信するデモを行う予定。スカパーJSATは衛星通信の需要先として車両などの移動体の開拓を進めている。その一環として3月にカイメタと業務提携した。