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ムキムキの保護犬「ダダ」 ビビリ克服、保護活動にも協力

sippo 5/13(土) 10:01配信

「よしだただし」改め「ダダ」。彼が住むのは、東京都内のオフィス兼自宅のマンションだ。「オフィスなので、常に誰かがいるから、『ダダ』が寂しい思いをすることはないと思って」と飼い主のKuniさんは言う。

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 オフィスには先住猫のジジもいる。美男子でしぐさも動きもエレガントだが、前脚が一本少ない。「脚が一本足りないなんて、不自由そうだなと思って、一緒に暮らすことになりました。以前借りていたところは猫しか飼えなかったのですが、ここは大型犬もOKの部屋だったので、犬もいたらいいよね、となって保護犬についての活動をしているNPOのホームページなどをのぞいていたんです」

 動物愛護団体「ミグノン」のホームページで、後に「ダダ」となる「よしだただし」の顔を見たKuniさんは「一目見て、もう気になっちゃって会いに行きました。ミグノンにはほかにも魅力的な子がたくさんいましたが、私は『よしだただし』しか目にはいりませんでした」と話す。

 彼は1歳の時に捨てられ、道で保護された。動物愛護相談センターでは「よしだ」と呼ばれていた。

 おそらくケージから外に出してもらったことも、散歩に行ったこともなかったのだろう。後にブリーダーに捨てられたということが判明したが、センターからミグノンに引き取られた時には、道をまっすぐに歩くこともできず、道で出会うすべてのものにビクビクしていたという。

 ダダは、スタッフォードシャーブルテリアやブルドッグのミックス。体重は20キロを超える。引っ張る力も強く、まっすぐ歩かなかったり、怖いものにおびえてほえたり飛びついたりすれば危険だし、怖がる人もいるだろう。そのためKuniさんは、時間をかけてダダとともにドッグトレーナーにつき、いろいろなこと・ものを克服してきた。

 今では、リビングでおやつをねだる姿に、「元超ビビリ」感はない。散歩でもまっすぐ歩けるようになったし、怖いものも減った。定期的に人のいないドッグランで走っているため、男らしく短い毛に覆われた体はムキムキ、触り心地はパンパンだ。

「もうすぐ5歳になりますが、走らせるたびに、筋肉が付いている感じがします。ボールが大好きで、一度与えると結構しつこくボールを追い回します。ダダは、先住猫のジジとも遊びたいようですが、ジジは迷惑そうで、避けているようです」とKuniさん。

 ダダを通してミグノンの活動を知ったKuniさんは、いろいろなものを克服して成長するダダを知ってもらおうと、インスタグラムを始め、グッズやカレンダーなどを制作することで保護活動にも協力している。ダダの個性的な表情は見る人をとりこにする。卒犬「よしだただし」のファンは多い。

 グッズ販売の「よしだただし商店」の店主も務めるダダ。Kuniさんによると、「最近は悪知恵もついてきて、ときどき調子に乗ることもあるので、厳しくしている」そうだ。

 ダダがいまだに克服できていないのは、傘と黒いもの。だから、雨の日は散歩に行けない。傘は怖くて、見るだけでほえてしまう。黒いものを向けられるのは苦手なので、スマホでの撮影やコンパクトデジカメならいいが、一眼レフカメラを向けるとギロリ。

 もう誰もダダを怖い目に遭わせることはしない。だから苦手をなくして、でも調子に乗りすぎず、雨の日だって余裕でお散歩を楽しめる立派な犬社員になってもらいたい。

sippo(朝日新聞社)

最終更新:5/13(土) 10:07

sippo