ここから本文です

タクシーはなぜフェンダー? ドアミラーにはないメリット、デメリットとは

5/13(土) 7:40配信

乗りものニュース

タクシー大手所有車の約9割がフェンダー

 国内乗用車の大半がフロントドアに装着する「ドアミラー」をサイドミラーとして採用するなか、タクシー営業をしているクルマの多くは、ボンネット前方に設置した「フェンダーミラー」を採用しています。タクシー大手の大和自動車交通(東京都江東区)では、グループ会社の車両を除く649台中、実に563台がフェンダーミラーだといいます。

この記事の画像をもっと見る(8枚)

 なぜ、タクシー営業をしているクルマにフェンダーミラー車が多いのでしょうか。同じく大手の三和交通(横浜市港北区)に聞きました。

――フェンダーミラーが多いのはなぜでしょうか? また、そのメリットを教えてください。

 ドアミラーのようにドライバーの真横ではなく、前方にあるため視界に入りやすく死角も少ないためです。車幅の目安にもなり、細い路地を走行したり、前方のクルマとすれ違ったりする際の車体感覚をつかみやすくなります。プライベートではドアミラー車に乗っているドライバーでも、フェンダーミラーのほうが慣れれば安全だと考えています。

 フェンダーミラーの導入は各社の任意です。当社で導入しているトヨタ「クラウンセダン」や「コンフォート」などのタクシー用に製造されたクルマは、フェンダーミラーを標準仕様にしていますが、オプションとして電動ドアミラーに変更することも可能です。

――反対にデメリットはどのようなところでしょうか?

 昨今の国内自動車はサイドミラーが大型化していますが、それに比べるとミラーが小さいことや、雨などで濡れたときにすぐ拭けないことがデメリットと言えるでしょう。

ドアミラーには「顔を動かすメリット」…?

――三和交通ではドアミラーのタクシーはないのでしょうか?

 トヨタ「ヴェルファイア」や「カムリ」など、ドアミラーの一般車両をタクシーにしたものも一部あります。しかし、大多数を占める「クラウンセダン」や「コンフォート」などのタクシー用車両は、ドライバーの感覚を共通化する意味でもフェンダーミラーに統一しています。

※ ※ ※

 タクシー用車両の販売元はどのような見解なのでしょうか。東京トヨペット(東京都港区)によると、2016年度にタクシー各社へ販売したタクシー用車両約3000台のうち、オプションの電動ドアミラーが選ばれた割合は「限りなく0に近い」そうです。「ベテランのドライバーは、フェンダーミラーに慣れ親しんでいる」といいます。

 その一方で、個人タクシーの場合はほとんどがタクシー用車両ではなく、一般車両をタクシー仕様にしているとのことで、東京トヨペットが2016年度に個人タクシー事業者へ販売した約500台のうち約95パーセントがドアミラー車だそうです。

 先述の大和自動車交通における残り86台のドアミラー車は、そのほとんどが「プリウス」「アルファード」といった、一般車両をタクシー仕様にしたものだといいます。

「ドアミラー車を導入した当初は、見にくいのではないかと懸念しましたが、実際にドライバーからそのような声は聞かれませんでした。慣れもあるとは思いますが、見やすさという点ではフェンダーミラーと変わりなく、むしろドアミラーの場合は顔を動かすので、『巻き込み』の確認にもつながると思います」(大和自動車交通)

 こうしたなか、各種タクシー用車両の製造、発売元であるトヨタは、2017年度内に発売予定の新型タクシー用車両を発表しており、「従来通りフェンダーミラーが標準仕様になっています」(三和交通)といいます。

1/2ページ

Yahoo!ニュースからのお知らせ