ここから本文です

交差点も違法駐車もない高速道路が渋滞する理由

TOKYO FM+ 5/13(土) 11:30配信

近年は道路の整備や渋滞情報の充実、ETCの普及などもあって、昔と比べれば渋滞は減ったと言われています。それでもGWやお盆、お正月などは、ある程度の渋滞は避けようがありません。そこで今回は、「渋滞」を少しでも快適に過ごす工夫を、TOKYO FMの番組の中で、運転や道路事情に詳しい方々に教えてもらいました。

◆「ほんの些細な理由で高速の渋滞は起こります」
~「渋滞学」著者 西成括裕さん

── なぜ高速道路が渋滞するのでしょう?

一般道の渋滞なら、原因の1位が交差点で、2位が違法駐車で道路が狭くなっているところ。ところが高速道路には交差点も違法駐車もありません。そんな高速道路が事故でもないのに渋滞するのは不思議ですよね。実は高速道路で渋滞する一番の原因は登り坂。それも分度器で測ったら1度とか2度くらいしかない登り坂です。

微妙な登り坂は運転手も気付かないので、アクセルをそのまま運転していると、ちょっとだけスピードが落ちます。すると後ろのクルマとの距離が詰まり、後ろのクルマが軽くブレーキを踏む。そのランプを見たさらに後ろのクルマもブレーキを……こんなブレーキのバトンがどんどん後ろに伝わっていき、十数台後には止まってしまうのが高速道路の自然渋滞です。

── そんな微妙な登り坂のせいなんですか!?

渋滞情報でよく耳にする小仏トンネル、花園IC、大和トンネルなどはすべて登り坂になっています。こういった場所で起こる自然渋滞が全体の60%で、事故や料金所の渋滞よりもはるかに多いんです。ブレーキのバトンを伝えてしまうのが渋滞の一番の原因。ですから渋滞を起こさないために車間距離を詰めすぎないようにしましょう。

車間距離を詰めると到着も遅れるし、事故の可能性も増え、さらに燃費も悪くなります。高速道路では車間距離の目安は40m。車線を区切る白線が12m+間隔8mで描かれているので、ちょうど2本ぶんですね。それ以上に車間距離を詰めても良いことは何もありません。

── それでも渋滞にハマってしまった場合はどうしたらよいのでしょう?

目の前が渋滞していたら、そのまま高速を走るか、降りて一般道を走るか、皆さん悩むと思いますが、結論を言えば「そのまま」のほうが速いです。統計的に9割の確率で上が混んでいたら下も混んでいますから。高速の渋滞は平均時速20kmくらいですが、一般道の渋滞だと平均時速10km以下。高速のほうが2倍以上速いんです。特に中央道と国道20号、常磐道と国道6号のような並走している道路は確実にハマります。

どの車線を走るかも渋滞では頭を悩ませるテーマですね。つい右側の追い越し車線に行きたくなりますが、みんなそう思うので左側の走行車線のほうが空きます。渋滞ができかけのときは左側が平均時速35kmで、右側が時速25kmという調査結果があるので、左側のほうがだいぶお得です。トラックのドライバーは経験的にそのことを知っているようで、左側を走っている人が多いですね。


◆「絶品のソフトクリームがあるサービスエリア」
~お笑い芸人 ふかわりょうさん

── 高速道路のドライブがお好きだと伺いましたが。

最近、高速道路のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)がすごく発展しています。私はクルマの免許を取って最初にやったのがSA巡りでした。当時は「え、SAってトイレでしょ? つまりトイレ巡り?」なんて言われたりもしましたが、今ならSAにしかないグルメもたくさんあります。

一番わかりやすいのはソフトクリーム。SAのソフトクリームはとてもクオリティが高いのですが、それが郊外へ行けば行くほど牛との距離が近づいて、どんどん美味しくなっていきます。甘さの質が全然違うし、さらに場所によっては生ワサビがトッピングされたり、ストロベリーが練り込まれていたり、バラエティに富んだ味をお楽しみいただけます。

── おすすめの場所を具体的に教えていただけますか?

常磐道の友部SAは私があちこち食べ比べた中でもかなり上位と言ってよいでしょう。関東の中でも常磐道はわりと地味な高速道路ですが、中央や東名に比べると道が穏やかで、しかもSAやPAが地元ならではの特色を出す努力をしています。ドライブには一番の高速道路です。

高速道路のドライブといえばアメリカンドッグも忘れてはいけません。アメリカンドッグはハイウェイのソウルフード。長距離ドライバーを支えてきた食べものなのに、最近はSAですっかり見かけなくなってしまいました。でも東名の鮎沢PAに行けば「アメリカンドッ君」という顔の焼き印が入ったアメリカンドッグを売っていたりするので、ぜひ味わってください。

── ふかわさん流の渋滞中の退屈しのぎを教えてください。

渋滞にハマったら私は「クルマの色当てゲーム」をしています。クルマの色なんて見ればわかると思うでしょう? ところがトンネルの中だとシルバーにしか見えなかったクルマが、トンネルを抜けると実はオレンジだったりします。都夫良野トンネルや小仏トンネルは渋滞の聖地みたいなものですが、ぜひ色当てゲームに挑戦してみてください。きっと驚くと思います。

「しりとり」もちょっとしたルールを加えるだけでおもしろくなります。たとえば「高速道路にあるものだけ」なんて決めるだけで驚くほど白熱するんです。大人になってしりとりをする機会もすっかりなくなってしまったと思いますが、伝統的な遊びを伝えるという意味でもたまにはやってみてください。


◆「準備しておけば渋滞も怖くない!」
モータージャーナリスト 国沢光宏さん

── 渋滞で便利なクルマの機能ってありますか?

アウトランダーPHEVのようなクルーズコントロールを搭載しているクルマに乗っているのでしたら、それを使わない手はありません。通行量が増えるとクルマの流れが遅くなったり速くなったりしますが、ちゃんと前のクルマを見て、そのスピードに合わせて安全な車間距離を保ってくれるのがクルーズコントロール。今のクルーズコントロールなら運転があまり得意ではない人よりもはるかに上手に速度を調節してくれます。しかも人間と違って休むことはありません。1秒も休まずに前のクルマとの距離を見続けてくれます。

クルーズコントロールの付いているクルマは乗馬のイメージに近いですね。馬は自分で判断して、前方の障害物や穴をちゃんと避けてくれます。列を作って走っているときなら、前の馬が止まれば自分も止まるし、前の馬が動き出せば自分も動いてくれる。だけど最終的な指示は人間がします。クルーズコントロールもそんなイメージで、人間がちゃんと管理をすればこんなに便利なモノはありません。使ったことがないのなら、流れの良い高速道路で試してみて、少しずつ慣れていきましょう。

── 渋滞の運転はどんな工夫をすればよいでしょう?

プラグインハイブリッド車のアウトランダーPHEVの場合、渋滞のときにエネルギー効率が良いのは絶対に電気で動くほうです。特に下り坂が続くようなときはそれが顕著ですね。そこで渋滞になることがわかっていたら、あらかじめセーブモードで走って電気を残しておきましょう(チャージモードはオートキャンプなどで使うモードなので走行中に使うと燃費が悪くなります)。そして渋滞の最後尾についたら電気自動車モードに切り替える。これが一番です。

とにかく渋滞は段取り・作戦・頭が命。今日はプラグインハイブリッド車で渋滞に突入するぞと思ったら、燃費を良くして環境に優しくするため、最初はガソリンで走って、渋滞に入ったら電気自動車に。そうすれば渋滞中はすごく静かで滑らかな走行ができます。それから忘れてはならないのが眠気覚まし。汗をかいた後ならガチガチに冷やしたおしぼりが最高です。後はコーヒーでも飲みながらお気に入りの音楽を聴けば、渋滞にイライラすることもないでしょう。そういう準備さえしておけば、30kmの渋滞もドンと来いという気持ちになれます。

(TOKYO FM「ピートのふしぎなガレージ」5月6日放送より)

最終更新:5/13(土) 11:30

TOKYO FM+