ここから本文です

日本の科学雑誌の先駆け「ニュートン」倒産の深層

ニュースイッチ 5/13(土) 18:28配信

多額の仮払金計上、前代表の逮捕で詰み

 国内科学雑誌の先駆け的存在の「Newton」を手がけるニュートンプレスは2月20日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。出版不況の中、破綻の要因は思わぬところに隠されていた。

 ニュートンプレスは、学生向けの家庭用学習教材「トレーニングペーパー」を発行していた会社の販売部門として、1974年に設立。その後、東大名誉教授を編集長に迎え、81年に「Newton」が創刊された。96年からは当社が発行元となっていた。

 「Newton」は誌面レイアウトや内容に関する評価も高く、多くの研究者や大学教授が誌面に登場。アジアを中心とした海外進出も積極的だった。1万人を超える定期購読者を抱え、11年9月期の売上高は17億円を超えていた。

 近年は出版不況のあおりを受け、12億円台まで売り上げが落ち込む一方で、一定の利益は確保できていたが、16年9月期の決算で突然、23億6000万円もの仮払金を計上した。

 これは、当時の社長が代表を兼務していた別会社に対する開発費投資で、回収見込みはほとんど無い状態。一転して債務超過に陥った。

 代表の交代、外部専門家を入れての再建計画策定と、粉飾発覚後の動きは速かったが、別の所にも問題は飛び火する。金融機関、債権者への説明を終えた直後の2月、前代表が逮捕される。

 容疑は許可なく定期購読者から出資を募ったこと。別会社への投資資金の一部を全国の個人株主・購読者から集めていた。有名出版社のスキャンダルは大々的に報道され、急速に信用収縮が進む中、自主再建計画も遂行は困難となった。逮捕の3日後、民事再生法の申請に至った。

 「Newton」の出版事業は継続、これからも読者に届けられる。本業は比較的安定していた反面、関係会社への資金流出とコンプラ問題でつまずいた。

【会社概要】
(株)ニュートンプレス
住所:東京都渋谷区代々木2―1―1
代表:高森 康雄氏
資本金:4億9000万円
年売上高:約12億2800万円(16年9月期)
負債:約18億3600万円

帝国データバンク情報部

最終更新:5/13(土) 18:28

ニュースイッチ