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試合時間だけじゃない、東京ドームは省エネ優等生だった!

5/13(土) 20:37配信

ニュースイッチ

イベント時の使用量を予測、施設ごとに節電強化の時間振り分け

 東京ドーム(ドーム球場)を中核とする複合アミューズメント施設「東京ドームシティ」(東京都文京区)が、大胆な省エネルギー化を進めている。経験に基づいた節電と“攻めの設備更新”で、施設の快適性を損なわず、大幅にエネルギー消費を抑えた。二酸化炭素(CO2)排出量に換算すると2008年比16・6%削減した。

 東京ドームシティにはドーム球場、格闘技の開催で有名な後楽園ホール、遊園地、ホテル、商業施設が立ち並ぶ。東京ドームシティ全体のエネルギー消費をCO2排出量に換算すると電気75%、ガス17・5%、残りが地域冷暖房。

 ドーム球場、ホテル、温泉が営業する商業施設「ラクーア」の3施設で全体の75%を消費する。野球やコンサートなどイベントが同じ時間帯に重なると、エネルギー消費が跳ね上がる。

 神経を使うのが、最大電力需要(ピーク)を迎えるのは真夏の真昼だ。電力会社から一度に購入できる契約電力(キロワット)を超えると、電気代が割り増しされるからだ。

 ピーク抑制には経験が威力を発揮している。東京ドームシティの運営会社「東京ドーム」施設部設備グループの山村善紀グループ長は「どんなイベントがあると、どれだけ電力を使うのか分かっている。天気予報の外気温も参考にピークを予想している。精度が高まっている」と“職人技”を披露する。

 予測は毎年6月、プロ野球の巨人戦のある日から始め、7月に入ると毎日実施する。予測値は全社員に公開し、施設ごとに節電を強化する時間を振り分け、契約電力の超過を防ぐ。具体的には空調の調整など、機器の運用改善を徹底する。

 しかし、管理は本社など社員のいる場所に限られる。ドーム球場、ホテルの客室、イベント会場内の機器の運転を無断で変更することはない。

 夏場、冷房を緩めると来場者や宿泊客、イベント主催者に不快な思いをさせるためだ。自社の関係者しかいないオフィスや工場とは違い、不特定多数の人が非日常を求めて来場する場所ならではの省エネが求められる。

 東京ドームは対策として、エネルギー効率の高い機器への更新を続けている。「以前は更新時期のギリギリまで使っていた。10年ほど前から前倒しで更新している。最新機にすると設定温度を変えずに、エネルギー消費量だけを減らせる」(山村善紀グループ長)と成果を強調する。

 更新を積極化した背景に、東京都の「環境確保条例」もある。東京ドームシティは10年度から、CO2排出削減の義務を負った。

 ドーム球場は冷凍機4台を更新済み。夏のピーク時には4台をフル稼働させていたが、高効率の冷凍機を導入した今は、設定温度が同じなら3台で済む。

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最終更新:5/13(土) 20:37
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