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県立高校再編、議論のポイント 生徒数再び減少期に

北日本新聞 5/13(土) 20:50配信

■今月下旬にも検討開始

 「わが子が中学校を卒業する頃、県内の高校の状況はどうなっているのだろう…」。次期高校再編について、こんな思いを抱きながら、議論の行方を見守っている保護者もいるのではないだろうか。県が昨年夏から重ねてきた有識者への聞き取りでは、賛成と反対の両方の意見が出て、論点が明確になってきた。県は5月下旬にも開く会合で、基本方針の検討に着手するという。ポイントを整理した。
(文化部・米沢慎一郎)

 次期再編は、現在38ある高校の数を減らすかどうかが議論になっている。背景には、少子化による生徒数の減少がある。

 中学校の卒業者数は、第2次ベビーブーム世代の1988年度の1万9122人をピークに減り続けてきた。第2次ベビーブームで生まれた子供が、中高校生の親世代になった2005年度から17年度までの13年間は、1万人台で推移したが、18年度に1万人を割り込んでからは再び減少期に入る。

■9校該当
 10年度に10校を5校に統合する「前期再編」が実施された。「後期」に当たるのが、現在焦点となっている次期再編で、18年度以降の減少期が迫るにつれて、次第に議論が熱を帯びてきた格好だ。

 三つの会合を経て、現在に至っている。県教委は13年度に設置した有識者会議での議論を踏まえ、前期再編を「教育内容が充実した」と評価する報告書を作成。14年度に新たに設けた有識者会議の8度にわたる協議を経て、16年4月に「1学年4学級未満または160人未満の学校を再編統合の検討の対象とする」との基準を示した。

 17年度の学級数でみると、「3学級」の泊、中央農業、大門、高岡西、伏木、福岡、南砺福光、「1学級」の南砺平、「160人未満」の入善の計9校が該当する。

■賛否両論
 16年度からは、石井隆一知事が主宰する県総合教育会議が検討の主体となり、首長や経済団体トップら計17人に聞き取りを進めてきた。

 主に再編方針に賛成したのは経済団体トップだった。「高校時代は多くの友と切磋琢磨(せっさたくま)することが大事」(金岡克己県経営者協会長)、「教育環境の維持には統廃合はやむを得ない」(高木繁雄県商工会議所連合会長)などの声が上がった。

 背景には、県全体の高校の規模が縮小することへの危機感がある。1学級の生徒数は40人を標準とすることが法律で定められており、生徒数が減れば学級数も少なくなる。1学年当たりの平均学級数は1988年度が7学級だったが、17年度は4・8学級。38校のままだと、2025年度以降は4学級を割り込む。

 県教委によると、小規模校の場合、団体競技の部活動が成り立たないケースがあるほか、生徒数に応じて教員数が決まるため、物理や世界史といった選択科目で、専門の教員をそろえられないこともあるという。

 一方、再編基準に該当した9校を抱える自治体の首長からは反対意見が目立った。前期再編と異なり、市町村をまたいだ再編も想定され、高校がない自治体が生じる可能性があるためだ。

 笹原靖直朝日町長は「地元の高校は地域づくりに欠かせない」とした上で、「少人数の中で友人や教員と信頼関係を築き、伸びていく生徒もいる」と訴えた。田中幹夫南砺市長も「効率性や財政面にとらわれるような議論になりがちだ。小規模校のメリットにも目を向けてほしい」と求めた。

 伊東尚志上市町長は「大きな学校を減らし、小さな学校を救うという議論があってもいい」と、小規模校を再編の検討対象とすることに疑問を投げ掛けた。

■時期未定
 県は論点が明確になりつつあるとして、聞き取りをほぼ終え、次回の総合教育会議から、基本方針の検討を始める予定だ。

 幅広い意見が出たことを踏まえて、今後どのように議論を進めるべきかといった提言を盛り込む見通しで、再編の対象校や実施時期には踏み込まないとみられる。

 今後のスケジュールは未定だが、前期再編では再編基準をまとめてから、2年半で統合校が開校した。次期再編も、そう遠くないうちに実施される可能性はある。

北日本新聞社

最終更新:5/14(日) 7:54

北日本新聞