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「一帯一路」構想 日本、中国との「距離感」にジレンマ 慎重姿勢を崩さず

SankeiBiz 5/15(月) 8:15配信

 中国の「一帯一路」構想への協力に対し、日本は依然、慎重姿勢を崩していない。協力すれば、中国の中東欧での影響力や軍事面の膨張の手助けにつながりかねないからだ。ただ、緊迫する北朝鮮情勢に対する中国との連携強化や巨大なインフラ市場の取り込みなどを考慮すれば、得られる利益の大きさも無視できない。日本は中国との距離感をどう保つか、大きなジレンマを抱える。

 一帯一路構想は、アジア全域の陸と海のインフラを北京に直結し、中華経済圏の構築を目指すものだ。だがインフラは軍事転用も可能で、南シナ海、インド洋、中東沖など広範囲の軍事拠点化を促す懸念も高まる。中国主導で創設したアジアインフラ投資銀行(AIIB)は、その資金供給の役割を担うとされる。

 一方で、中央、東南アジアに加え、中東やアフリカ、欧州までつなぐ広域のインフラ市場は、日本企業にとっても大きな商機となる。日米主導のアジア開発銀行(ADB)が今後15年間で26兆ドル(約2900兆円)と見込むアジアのインフラ需要は魅力だ。ADBの中尾武彦総裁も「良いプロジェクトがあれば(一帯一路に)協力する余地はある」と理解を示す。

 ただ、中国は旺盛なインフラ需要の対応にはスピード感を重視しており、「高い技術の必要ない道路舗装など簡単な工事は、日本勢に勝ち目はない」(国際経済調査機関幹部)とも指摘される。“質の高いインフラ”輸出を目指す日本政府の逆風になりかねない。

 米国が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)から離脱を決め、多国間貿易協定を推進する日本にとっては、中国主導で日中韓などが参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の重要度も増している。

 政治や経済の問題の流動化が中国に好機をもたらしつつある中、日本は難しいかじ取りを迫られている。(西村利也)

最終更新:5/15(月) 8:15

SankeiBiz