ここから本文です

<ヒト生殖細胞>包括規制 政府が基本方針策定へ

毎日新聞 5/14(日) 7:00配信

 政府は、ヒトの精子や卵子、受精卵など「生殖細胞系」について包括的に規制する基本方針を初めて策定することを決めた。難病治療などに応用できる「核移植」や、遺伝子を効率よく改変する「ゲノム編集」など、新しい科学技術が海外で台頭しつつある一方、日本にはこうした新技術を想定した基本方針がこれまでなかった。

 核移植は、受精卵や卵子の核を、別の人の受精卵や卵子に移し替える技術。ウクライナなど海外では難病や不妊の治療目的に行われ、子どもも誕生しているが、日本ではこの技術を使う研究についてこれまで基本方針がなかった。

 また、ゲノム編集は、従来の遺伝子組み換え技術に比べて簡単に効率よく遺伝子を改変できる新技術。病気の治療などへの応用が期待され、中国などでは臨床応用に向けた研究が進んでいる。内閣府の生命倫理専門調査会が昨年4月に中間報告書をまとめ、受精卵を使った研究について基礎研究に限り容認。日本人類遺伝学会などの関連学会と協力しながら個別に審査する体制を整える準備を進めている。一方、精子や卵子を使う研究についてはこれまで規定がなかった。

 包括規制の基本方針は、内閣府の「総合科学技術・イノベーション会議」の下に新しく設置される組織が、今後1年をめどに取りまとめる見通し。難病の治療法開発に向けた基礎研究については容認する方向で検討する。【荒木涼子】

最終更新:5/14(日) 9:11

毎日新聞