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【甲信越ある記】甲府市・武田の杜 五感で自然体感、気軽に森林浴

産経新聞 5/14(日) 7:55配信

 新緑の季節が終わると、甲府盆地に蒸し暑い夏がやってくる。すり鉢のような市街地に熱気がこもり、けだるさが増す。でも、ちょっとだけ移動して四方を囲む山にたたずめば、森林浴の気分を味わえる。

 夏日となった日、「武田の杜」を訪れた。車で昇仙峡に向かう和田峠を登り切り、千代田湖に沿って走るとサービスセンターに到着する。30分ほどの道のりだ。駐車場脇の広場からは甲府盆地の西側、好天なら富士山と南アルプスが見渡せる。

 歩くことと、癒やされることをテーマにした森林公園。ハイキングができる「健康の森」には多様なコースが用意されている。傾斜がほとんどなく、車いすでも利用できる「癒やしの小径」(約1.4キロ、30分)から、健脚向けの外周コース(約5キロ、2時間)まで、誰でも楽しめる工夫がある。このうち、外周コースの約半分を歩いた。標高460~610メートル。鳥の鳴き声が心地良い。基本的に尾根歩きだが、最大勾配20%。コースの随所でアップダウンが繰り返される。体脂肪カットの有酸素運動にはぴったりだ。

 この日は風が強かった。木の枝が大きく揺れる音はさざ波のようで、木もれ日がキラキラと輝いた。

 各コースには区間ごとに、「春の小道」「白樺(しらかば)の道」「松ぼっくりの道」といったユニークな名前が付けられている。

 これらを組み合わせることで、コースのバリエーションを増やすこともできる。分岐点には歩き方のコツも掲示されている。

 「毎日のように来ています」と話す地元の女性グループと出会った。尾根歩きと広場のテーブルを囲んでのおしゃべりを楽しんでいる。

 武田の杜が力を入れているのが、森林セラピーだ。セラピーガイドを務めるサービスセンターの杉村直英さんは「ゆっくり、ゆったりリラックスしてもらうのが目的。樹木のにおいなど五感で森林に触れてほしい」と話す。

 1回の参加者は10人程度。地面にマットを敷いて寝転んだりする。前後にはストレスチェックを実施し、効果を確かめることもできる。特製のセラピー弁当と保険料、麓の湯村温泉の入浴付きで、参加費は3500円(要予約)。いつか参加したい。(中川真)

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 ■武田の杜

 甲府市山宮の約2500ヘクタールに設けられた森林公園。アクセスは甲府駅南口から山梨交通バス「山宮循環」で「千代田湖入口」下車、徒歩40分など。問い合わせは武田の杜サービスセンター(電)055・251・8551。同センターと駐車場の利用時間は午前9時~午後5時。休館は月曜、休日の翌日(土日は除く)と年末年始。

最終更新:5/14(日) 7:55

産経新聞