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<大震法シンポ>予測「不確実でも必要」 活用策は多様な見解

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS 5/14(日) 7:38配信

 大規模地震対策特別措置法(大震法)の在り方を探るため、静岡市葵区の県地震防災センターで13日に開かれた「大震法シンポジウム」(静岡新聞社・静岡放送主催、県共催)。静岡大客員教授の吉田明夫氏ら5人が登壇し、不確実な予測に基づく防災対応を巡って議論を繰り広げた。「不確実でも何らかの情報を発信すべき」との意見で一致した一方、情報を活用した対策に関しては多様な見解が示された。

 内閣府は地震の「切迫度」と「地震・津波に対する弱さ(脆弱=ぜいじゃく=性)」の二つの尺度でリスクを判定し、防災対応をレベル分けする考えを示している。吉田氏は「気に掛かっているのは、切迫度を切り分けられるかということ」と疑問視。その上で「普段から観測情報を公開し、成果を解析・評価して周知を図る仕組みが必要」と述べた。

 静岡大防災総合センター教授の牛山素行氏は「切迫度の評価はほぼ無理だが、脆弱性は一定の把握が可能」との見解。市民それぞれが居住地域の立地特性を学ぶ重要性を指摘した。

 海洋研究開発機構(JAMSTEC)の堀高峰氏は「確度の高い予測は困難」とする報告書をまとめた中央防災会議の調査部会のメンバー。確率予測について「数値で示すのは難しいが、(対象の状態の変化など)定性的な区別はできる。地震学者が『分かりません』と言って対策にブレーキをかけるのは非常にまずい」と強調した。

 内閣府の広瀬昌由氏は「中央防災会議の作業部会は大震法そのものを検証しているわけではなく、大地震につながる可能性が高まった時に社会がどう対応すべきかを検討している」と説明。県危機管理監の外岡達朗氏は「対策は社会的影響を抑え、受忍しやすいものにすべき。社会の合意を得ながら進めていく必要がある」と注文を付けた。



 ■県民ら220人聴講

 静岡市葵区の県地震防災センターで13日開かれた大震法シンポジウムには約220人の県民らが参加した。聴講の感想や意見などとして、会場からはさまざまな声が聞かれた。

 静岡市駿河区の主婦(43)と中学1年の娘(12)は「内容には難しい点も多かったが、大震法という法律を知るきっかけになった」と話した。娘は「小学6年の時、理科の先生から(静岡新聞の記事を引き合いに)『静岡にとって大事な内容』と言われ、地震に興味を持った。夏休みの自由研究の題材にしたい」という。

 静岡大3年の学生(20)=同区=は「中学の時に体験した東日本大震災では栃木県の実家が一部損壊した。東海地震は静岡(など強化地域)だけの問題ではない。大震法の説明を通し、自助の大切さを実感した」と感想を述べた。一方、浜松市中区の会社員男性(48)は「大震法がどう問題なのか、もう少しかみ砕いてほしかった」と要望した。

静岡新聞社

最終更新:5/14(日) 15:27

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS